是枝裕和監督が率い、
西川美和監督が所属する映像制作者集団“分福”気鋭の新人監督・川和田恵真監督の商業映画デビュー作『マイスモールランド』が、5月6日(金)より東京・新宿ピカデリーほかで全国公開。このたび、追加キャスト、主題歌アーティスト、予告編映像が発表されています。
クルド人の家族とともに生まれた地を離れた後、幼い頃から日本で育った17歳のサーリャは、同世代の日本人と変わらない、ごく普通の高校生活を送っていましたが、彼女と家族はあるきっかけで在留資格を失い、これまで当たり前だった日常が一変。本作では、そんな過酷な環境な中でも、主人公・サーリャが、東京に住む日本人の少年・聡太との出会いをきっかけに、アイデンティティに葛藤しながらも、成長していく物語が描かれます。
本作の主人公で、埼玉に住む在日クルド人の高校生・サーリャを、日本、ドイツ、イラン、イラク、ロシアのミックスという5ヵ国のマルチルーツを持つ嵐莉菜が主演として演じ、東京に住む少年・聡太を注目の若手俳優・
奥平大兼が演じます。さらに、追加キャストとして、
藤井隆、
池脇千鶴、
平泉成、
韓英恵、
サヘル・ローズが発表されています。
また、主題歌は、ポカリスエットや三菱地所のCMなどで立て続けにCMソングを手がける注目のアーティスト、
ROTH BART BARONが書き下ろした楽曲「New Morning」に決定。
三船雅也の美しい歌声と、サーリャの心情に寄り添った歌詞が、胸に優しく響く楽曲に仕上っています。なお、ROTH BART BARONが映画主題歌を書き下ろすのは初となり、本作では劇伴も手がけています。
公開された予告編では、「難民申請は不認定となりました」と厳しい判断に呆然とするクルド人の高校生・サーリャと家族の様子を捉えたシーンから映像がはじまります。そして、友人と笑い合い、家族でラーメンを食べる、ささやかで幸せな日常の姿の後に続くのは、収容された父親から発せられる「目を閉じて、今、何が思い浮かぶ?」という言葉とともに思い浮かぶ、普通の高校生だった日々。“ここに居たいと思うのは罪ですか?”と映し出されるメッセージには、主人公サーリャの素朴で純粋な思いが込められています。
[コメント]丁寧で優しくて、決して弱くない川和田監督の熱意にお応えしたいと思いました。嵐莉菜さんはマスクで半分以上顔が隠れててもコロコロと変わる表情が魅力的で、撮影が始まると瞬間「サーリャ」になって感動しました。――藤井隆(聡太の叔父、コンビニの店長・太田武役)川和田恵真という人間に会った時、僕は彼女のか細く弱い声の奥底に隠れた魂の綺麗さ、静かに燃える情熱にハッとした。脚本をもらってこの話のためなら、この人の作る作品ならなんだってやりたいとおもった。シートに座りこの映画と向き合う。主人公や作り手の魂の純粋さの塊が猪のように突進してくる。世界の扉が再び閉ざされてしまった時代の中、僕らが今を生きていくために大切な事は、この映画の中にあるまっすぐな気持ちなんじゃないでしょうか。人々の暮らしを良くするために作られたルールが、誰かを苦しめてしまう、そのこんがらがったこの世界の毛糸の塊が、この映画で1本でも解けることを願う。――三船雅也(ROTH BART BARON)(キャストについて)素晴らしいキャストの皆さんとご一緒できて幸せです。皆さんとお話をしながらキャラクターを作らせていただきました。真っ直ぐに志を持って共に作品に向き合う、豊かな時間を過ごすことができました。(主題歌について)はじめて聴いた時、涙が溢れました。繊細に寄り添ってくれながらも、力強く生きていこうとする肯定感に包んでくれる曲です。脚本執筆の間もずっと聴き続けていたROTH BART BARONさんに作っていただけて、この上なく嬉しく思います。――川和田恵真(監督 / 脚本)©2022「マイスモールランド」製作委員会