この度、2014年に鹿児島・桜島のふもとで誕生した野外音楽フェス〈WALK INN FES!〉の10年に渡る活動を追ったドキュメンタリー映画『素晴らしき日々も狼狽える』が、地元・鹿児島の特別先行公開に続き、東京・大阪での公開が決定しました。東京は新宿K’s cinemaにて、10月15日(土)〜10月21日(金)公開。大阪は第七藝術劇場にて、11月5日(土)〜11月11日(金)公開となります。
〈WALK INN FES!〉は、「僕らの街は、僕らで創る。」をテーマに掲げ、当初は協賛も募らず、プロのイベンターを使わず、出演するバンドマンたちがステージを設営し出番以外の時間は運営を手伝うDIYなフェス。ライヴだけでなく音楽、ダンス、食、アート、アパレルから子供たちの経営するお店まで、様々なジャンルが一堂に会しながらも規則や禁止行為を極力設定せず、参加者が自ら考え、場を創り出していきます。そして、〈WALK INN FES!〉のもう一つの特徴は地元のミュージシャンが数多く出演し、名だたるバンドやアーティストと肩を並べてパフォーマンスを披露すること。日本でも数少ない“自立するローカルカルチャー”の雛形でもあり、それはまさに小さな“街”のよう。年々参加者の増加と共に“街”は徐々に広がり続けています。
しかし、2020年、コロナウイルスの猛威が世界を襲いました。今回、フェスの発起人である音響エンジニアの野間太一は鹿児島の仲間達と何を考え、この“街”を創ったのか?フェスに参加した大勢のミュージシャンのライヴ・シーンやインタビューなど、10年にも及ぶアーカイブから紡がれる、音楽から生まれた街〈WALK INN FES!〉と“鳴らし続けている者たち”による映像詩が完成しました。
2014年に誕生してから来年で10年。Ken Yokoyama、BRAHMAN、the band apartなどの名だたるバンドの他、鹿児島バンドを含む総勢200組にも及ぶミュージシャンが出演したこの新しい“街”の成長を記録し映画化したのは、80年代の日本のハードコア・パンク・シーンの黎明期を記録したドキュメンタリー・パンク映画『ちょっとの雨ならがまん』(1983年)の安田潤司監督。安田監督は、2012年に鹿児島に移住。「フェスという名の街創り」に感銘を受け、2018年より〈WALK INN FES!〉に参加。“街”の住人の一人として、地元の若者たちとカメラを廻し、コロナ禍の真っ只中に本作を完成させました。フェスのテーマと同じく制作、配給、宣伝も自分達で行うこの映画そのものが〈WALK INN FES!〉の一部となっています。