2019年のロン=ティボー・クレスパン国際コンクールで優勝したピアニストの三浦謙司が、デビュー・アルバム『アイデンティテ〜フランク、武満徹、ラヴェル、ドビュッシー:ピアノ作品集』を11月4日(金)に発表します。三浦は英国とベルリンで音楽を学んだものの一度音楽から離れて自身を見つめ直し、ふたたび再度音楽の道に戻って臨んだロン=ティボー・クレスパン国際コンクールで優勝を飾った経歴の持ち主です。
このデビュー作では、選曲にもこだわるとともに「自身のアイデンティティとの葛藤が反映された」と語る彼の現在がすべて映し出されています。フランスで活躍しながらもドイツ音楽のイデオロギーから強い影響を受けた
フランクの「前奏曲とフーガ、変奏曲」で始まり、東洋と西洋の特質を融合した
武満徹のふたつの作品を続け、けっして「印象派」には属さない(と三浦が考える)
ラヴェルと
ドビュッシーの作品が並び、ボーナス・トラックとして
ゴダールの「マズルカ」でアルバムを締めくくるという一連の流れは、聴き手に心地よさをもたらすとともに、「今聴いている音楽は果たして何なのか?」と深い思索も要求します。
2021年11月15日から17日にかけてフランス、サンリスのサン=フランブール礼拝堂で録音。この教会は、993年頃に建てられ、ルイ7世が再建した礼拝堂で、戦後に自動車修理工場として使用されていましたが、1973年にピアニストの
ジョルジュ・シフラが買い取って若い芸術家のためのホールとして改修され、現在ではシフラ財団の本部ともなっています。またこの録音でも、シフラが所有し演奏・録音に使用していたヤマハ製のピアノを使用しました。
ワーナーミュージック・ジャパン取り扱い直輸入盤のみ、三浦自身による解説が付きます。