プロデューサー、マルチ・ミュージシャンとして60〜70年代のソウルやジャズを新たな視点で現代に甦らす鬼才、エイドリアン・ヤング（Adrian Younge）と、ア・トライブ・コールド・クエストのメンバーとして90年代以降のヒップホップ・シーンに多大な影響を与えたアリ・シャヒード・ムハンマド（Ali Shaheed Muhammad）。コラボ・ユニット、ザ・ミッドナイト・アワーとしても活動する2人によるジャズを再構築していくプロジェクト“Jazz Is Dead”の第2シーズンが始動。6月に2タイトルがリリースされます。

　偉大なる先人達と繰り広げた濃密なライヴ・イベント〈Jazz Is Dead〉を発端に、現代におけるジャズをあらゆる角度から切り崩し再構築していくこの新たな試みは、ジャズ・ファンはもちろんのことヒップホップ、レア・グルーヴなどジャンルやカテゴリー、そして世代をも超越したリスナーを惹きつけるサウンドを提示。第1シーズンではロイ・エアーズ、ゲイリー・バーツといったジャズ〜ジャズ・ファンクのレジェンド奏者たちやアジムス、マルコス・ヴァーリらブラジル音楽シーンの重鎮らと繰り広げられたコラボレーションなど、全10タイトルをリリースしてきました。

　第2シーズンの開幕を告げる作品となるのは、前回と同じく、第2シーズンでリリースが予定されているアルバムから1曲ずつ収録するコンピレーション『ジャズ・イズ・デッド 011（JAZZ IS DEAD 011）』。コズミックなジャズ・ファンク〜フュージョンの先駆者である鍵盤奏者ロニー・リストン・スミスを皮切りに、伝説的なブラック・ジャズ・レーベル「Tribe」の創始者であるフィル・ラネリンとウェンデル・ハリソンとの競演、さらにはフェラ・クティの右腕としてアフロビートを創造したドラム奏者トニー・アレン生前のレコーディング、現行LAジャズ・シーン注目のコレクティヴ、カタリストとのコラボレーション、ラストにはザ・ミッドナイト・アワーによる新曲などを収録しています。

　そしてもう1タイトルは、“Jazz Is Dead”の第1シリーズの5作目にて登場したダグ・カーンの妻でもあるジーン・カーン（Jean Carne）による『ジーン・カーン（ジャズ・イズ・デッド 012）』。ジーン・カーンは、70年代前半にスピリチュアル・ジャズの名門「Black Jazz」を代表する歌姫として活躍、その後フィリー・ソウルの総本山「Philadelphia International」に移籍し、ソウル〜ディスコ界からも厚い支持を受けるヴォーカリストとして活躍しています。今回ザ・ミッドナイト・アワーのバックアップのもとで送り出す久々のソロ・アルバムは、暖かく、陽気なムードの楽曲を中心とした内容で、メロウなソウルと踊り出したくなるグルーヴィなジャズが等しく配合された極上のバッキング・トラックの上で、とても齢75とは思えない衰え知らずのきめ細かなヴォーカルを披露してます。

　なお、この2タイトルのCD発売日は、『ジャズ・イズ・デッド 011』が6月29日（水）（LPは11月23日［水］）、『ジーン・カーン（ジャズ・イズ・デッド 012）』が6月15日（水）（LPは7月27日［水］）となっています。