津軽三味線を手に、三味線のみならず、邦楽器の新たな地平を切り開いてきた
上妻宏光が今年、ソロデビュー15周年を迎えます。アルバム『AGATSUMA』でデビューし、その後、国内外の名だたるアーティストと共演を繰り返しながら、活躍を繰り広げてきた上妻。近年では、
日野皓正、
小野リサ、
林英哲や
中村獅童、
上間綾乃など、ジャンルを横断したアーティストを結集させ、“日本の文化や風土に立脚しながら、世界に通じる新しい価値観を発信したい”(上妻)との思いから、ライヴ・イベント〈日本流伝心祭 クサビ-伝統と革新〉を企画し、毎回、会場となる渋谷公会堂の満員の聴衆を沸かせていることも記憶に新しいでしょう。
記念イヤーとなる2015年の活動は、さらに充実の内容。まずは2月3日(日)より、
市川海老蔵と中村獅童が出演、脚本が
宮藤官九郎、演出が
三池崇史ということで大きな話題となっている『六本木歌舞伎 地球投五郎宇宙荒事(ちきゅうなげごろううちゅうのあらごと)』に作曲、出演。さらに5月にはビルボードで
矢野顕子とのコラボ・ライヴ〈矢野顕子&上妻宏光 二重奏〉も予定され、昨年9月にニューヨークで初めて共演をし喝采を受けた2人のライヴが逆輸入のかたちで初めて国内で実現します。さらに7月からは上妻の名物ライヴ・シリーズ〈生一丁!〉ツアーが10都市12公演で開催。そして8月29日(土)には、上妻宏光ソロ・デビュー15周年記念公演と名うち4回目となる〈日本流伝心祭 クサビ-伝統と革新〉が開催されることが発表されました。
由紀さおりや
市川猿之助、さらにはシテ方金春(こんぱる)流能楽師である山井綱雄など、新たなコラボアーティストもラインナップされている注目の公演です。
そして2月18日(水)には、〈クサビ〉のライヴと連動したアルバム
『日本流伝心祭 クサビ』(COCQ-85254 2,500円 + 税)がリリース。これまで〈クサビ〉ライヴに出演したアーティストの楽曲や上妻と共演した音源等を集めたコンピレーション・アルバムで、さらに林英哲(太鼓)・
沖仁(フラメンコギター)との初の組み合わせで「YOSARE」を新たに収録しています。
受け継がれた伝統を重んじながら、津軽三味線の進化をさせる事に挑戦し続ける上妻宏光。ソロ・デビュー15周年を迎え、さらなる“伝統と革新”を追求していく姿に要注目です。