ピアノ界の貴公子、アレクサンダー・ロマノフスキー（Alexander Romanovsky）の最新アルバム『ラフマニノフ：ピアノ・ソナタ第1番＆第2番』（UCCD-1414 2,600円 + 税）が1月14日（水）に発売されます。

　2011年のチャイコフスキー国際コンクールにおいて、ラフマニノフのもっとも優れた演奏に贈られる“クライネフ賞”を受賞したロマノフスキー。2012年の来日時に合わせてリリースした3タイトルは、レコード芸術誌において2タイトルが特選盤、1タイトルは準特選盤に選出され、“彗星のように登場した鍵盤の詩人”と絶賛されました。

　今回のアルバムは、ロマノフスキーがもっとも得意とするラフマニノフから、難曲中の難曲であるソナタ第1番と第2番を収録。第1番はニーチェの戯曲『ファウスト』に登場する3人の主要人物、ファウスト、グレートヒェン、メフィストフェレスの性格描写を各楽章で表現しようと構想され、あとからこの構想は破棄されましたが、スケールの大きさや技巧的なフレーズからは『ファウスト』の影響が強く感じられます。ロマノフスキーは、性格や雰囲気の異なる2曲のソナタを、驚異的なテクニックとあざやかな音楽性で見事に弾きわけ、リスナーに強い印象を与えます。

　1月には、2公演のリサイタルおよびNHK交響楽団定期演奏会への初登場も予定されているロマノフスキー。昨年30歳を迎え、また一皮むけた彼の演奏を、ぜひお聴きください。