“これがなければ『エイリアン』は生まれなかった”――『スター・ウォーズ』や『ブレード・ランナー』などのSF映画に多大なる影響を与えたとも言われている、
アレハンドロ・ホドロフスキー版『DUNE』をめぐるドキュメンタリー映画、『ホドロフスキーのDUNE』(6月14日公開)。本作の中に登場する、幻のストーリーボードの所有者が日本に! これに伴い、ストーリーボードの公開も含む展覧会〈アレハンドロ・ホドロフスキー展『芸術に許可が必要だと?』〉が6月14日(土)より東京・渋谷「パルコ ギャラリーX」にて開催されます。
昨年の〈第26回東京国際映画際〉で上映され、大きな話題を呼んだ『ホドロフスキーのDUNE』。そして、本作の中で度々登場するのが、『DUNE』のストーリーボード集。先頃亡くなった『エイリアン』のH.R.ギーガーによるデザイン画や、フランスのコミック作家メビウスによる壮大な絵コンテが描かれたこの“分厚い本”は映画の資金を得るために作られ、各映画制作会社に配られたものだとか。
東京国際映画祭で来日したフランク・パヴィッチ監督が上映後のティーチインで、このストーリーボード集について「全部で20冊ほど制作され、現在確認できているものが2冊。ホドロフスキー監督が1冊、プロデューサーのミシェル・セドゥー氏が1冊持っています。そしてもう一冊、日本にあるかもしれません! リサーチしたところ10年前にeBayで出品され、それを落札したのは日本人だったということです」と発言し、本作の配給を手がけるアップリンク、パルコでは、映画のオフィシャル・サイトやTwitterなどでストーリーボード集を所有している方を探していたそうですが見つからず……。しかし、呼びかけから半年以上経過した5月の半ば、遂に所有者の方が自ら名乗りを上げ、その存在が明らかに。
今回見つかったのは、いくつかのページを抜粋して構成され、限定で製作されたホドロフスキー版『DUNE』絵コンテ集、通称“赤版”。所有者の男性はもともとメビウスのファンで、フランク・パヴィッチ監督が言うように、約10年前にeBayで、フランス人から落札したそう。5月のある日、映画館の予告編で『ホドロフスキーのDUNE』の予告を観て、「あれ……? これ、ウチにあるのと同じだ」と思い映画のオフィシャル・サイトを見たところ、配給のアップリンクとパルコがストーリーボードを探していることを知り、連絡したとのこと。