カリスマ的存在感を備えた現代の指揮者として広く認められるラトヴィア生まれの指揮者、
アンドリス・ネルソンス(Andris Nelsons)が、クラシック音楽の名門レーベル「ドイツ・グラモフォン」と専属契約を結んだことが5月19日(木)ベルリンで発表に。シリーズ1枚目のアルバムが第58回〈グラミー賞〉において“ベスト・オーケストラル・パフォーマンス部門”に輝いた
ボストン交響楽団との
ショスタコーヴィチ交響曲集のシリーズ録音に続いて、
ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団と
ブルックナーの主要作品を録音する計画、さらには
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団と
ベートーヴェンの交響曲全曲録音を行なうことも発表されました。
ネルソンスは1978年、リガの音楽一家に生まれた指揮者。崩壊する直前のソ連で音楽の基礎を学び、その厳しい水準の恩恵を受けました。ラトヴィア国立歌劇場管弦楽団のトランペット奏者としてキャリアをスタートさせたあと、指揮を学びます。ラトヴィア国立歌劇場の音楽監督を務めた(2003〜07年)のち、ヘルフォルトの北西ドイツ・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者となり(2006〜09年)、
バーミンガム市交響楽団の音楽監督時代(2008〜15年)に国際的評価を確立させました。
2014年にボストン交響楽団の音楽監督に就任したネルソンス。同交響楽団と、ドイツ・グラモフォンに“スターリンの影の下でのショスタコーヴィチ”と題するシリーズ録音を行なっています。シリーズ1枚目はショスタコーヴィチの記念碑的な交響曲第10番のライヴ録音
『ショスタコーヴィチ: 交響曲第10番 他』(UCCG-1709 2,600円 + 税)で、2016年2月に〈グラミー賞〉の“オーケストラ部門最優秀賞”に選ばれました。シリーズの第2弾はショスタコーヴィチの交響曲第5、8、9番とシェイクスピアの「ハムレット」の付随音楽をカップリングした2枚組アルバムで、2016年5月27日(金)に全世界リリースされ、日本盤
『ショスタコーヴィチ: 交響曲第5番、第8番&第9番 他』(UCCG-1741〜2 3,500円 + 税)は6月8日(水)に発売されます。
ネルソンスは2018年2月、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団の楽長(カペルマイスター)に就任する予定。2011年12月に同楽団にデビューして以来、定期的にこのオーケストラで客演指揮を行なっています。ライプツィヒでは5月26日(木)、27日(金)および6月2日(木)、3日(金)にブルックナーの交響曲第3番を指揮する予定です。
ネルソンスがウィーン・フィルハーモニー管弦楽団を初めて指揮したのは2010年10月。以後この管弦楽団を率いてヨーロッパ、日本、アメリカ各地で演奏旅行を行なっています。ネルソンスとウィーン・フィルは2016年1月に演奏した交響曲第3番「英雄」を発端に、ベートーヴェンの交響曲を積極的にとりあげています。2017年の3月18日、19日、23日にはウィーン・フィルとベートーヴェンの交響曲第6番「田園」を演奏予定です。2016年から2019年にかけて行なう予定のベートーヴェンの交響曲の全曲録音では、ベートーヴェンの生誕250周年にあたる2020年に、ハイライトとしてウィーンで全曲演奏を行なう計画も進められています。
©Marco Borggreve / DG
■2016年6月8日(水)発売
『ショスタコーヴィチ: 交響曲第5番, 第8番&第9番 他』
UCCG-1741〜2 3,500円 + 税
[disc 1]
ショスタコーヴィチ:
01. 交響曲第9番 変ホ長調 op.70
02. 交響曲第5番 ニ短調 op.47
[disc 2]
ショスタコーヴィチ:
01. 劇付随音楽『ハムレット』組曲 op.32a
02. 交響曲第8番 ハ短調 op.65
[演奏]
アンドリス・ネルソンス指揮ボストン交響楽団
[録音]
disc 1: 01. 2015年10月, 02. 2015年11月
disc 2: 01. 2016年2月, 02. 2016年3月
ボストン シンフォニー・ホール