エクスペリメンタル、ディスコ、ガラージ、ポップ、フォークなど、1970〜80年代のNYのレフトフィールドを縦横無尽に駆け回ったチェロ奏者 / 作曲家 / シンガー / プロデューサー、
アーサー・ラッセルの未発表音源を含むライヴ音源集『Open Vocal Phrases, Where Songs Come in And Out & Sketches For World of Echo』が4月18日(火)にリリースされます。
NYアンダーグラウンド・シーンで数々の伝説を残し、92年のエイズによる没後、その卓越した才能が改めて脚光を浴びたアーサー・ラッセル。前衛的かつ実験的な彼の作品は、未発表音源をはじめ数多くの再発盤やコンピレーション音源でも見出され、書籍や映画に至るまでの幅広い媒体を通じ、その音楽性、ひいては人物像そのものが、現在進行形で影響を与え続けています。
本作もその例に漏れず、未発表音源に加え、2020年にカセットとデジタルのみでリリースされた音源を収録。アーサー・ラッセルの代名詞的作品『
World Of Echo』の基盤となった2つのソロ・ライヴ・パフォーマンスを収めたもので、NY実験音楽の巨匠フィル・ニブロックが、アーサー・ラッセルと共に企画・プロデュースし、Experimental Intermedia(フィルがディレクションを務める、NY拠点の前衛音楽財団)にて録音されました。
1984年に行なわれた〈SKETCHES FOR WORLD OF ECHO〉と、1985年の〈OPEN VOCAL PHRASES WHERE SONGS COME IN AND OUT〉と題された、この2つのソロ・パフォーマンスを基盤に、Battery Soundで録音されたスタジオ音源やヴォーカルと統合して完成したのが、彼にとって生涯初となるフルレングスのソロ作品として1986年に発表され、現代音楽家としての評価を決定づけた『World of Echo』となります。
アーサーの盟友にして生前最後のパートナーのトム・リーは「とても純粋で澄んだ音色に聴こえ、彼が機材に囲まれてうずくまるように演奏している様子が目に浮かぶ... まさに魔法のようでした。私の記憶では、彼は観客のために演奏していたのではなく、むしろ彼自身の内側で、様々な音の組み合わせを確立しようとしていました。そして、たまたま私たち数人がその場に居合わせたのです」と語っています。
また、2つのパフォーマンス音源は未編集のまま、2枚組CDと2枚組LPにて、それぞれ内容・タイトル・アートワークが異なる形で発売されます。2枚組CDには、2020年にカセットとデジタルのみでリリースされ、今回が初のCD化となる『SKETCHES FOR WORLD OF ECHO』と、未発表タイトル曲の「That’s The Very Reason」と「Too Early To Tell」を含む、初リリースの『OPEN VOCAL PHRASES WHERE SONGS COME IN AND OUT』の全パフォーマンスを収録。2枚組LPには、CDと同じく初リリースの『OPEN VOCAL PHRASES WHERE SONGS COME IN AND OUT』全パフォーマンスが〈Side1〉から〈Side3〉までに収録され、〈Side4〉では、『SKETCHES FOR WORLD OF ECHO』のパフォーマンスから「Changing Forest」と「Sunlit Water」が収録されます。
CD、LP共にフルカラーのインサートと、アーサー・ラッセルのアーカイブを数多く手掛ける〈Audika Records〉の創設者、スティーブ・クヌーソンによるライナーノーツが封入。国内仕様盤CDと帯付仕様LPには、別途日本語解説書も封入されます。