女優・
芦田愛菜の『
円卓 こっこ、ひと夏のイマジン』(2014年)以来、6年ぶりとなる実写映画への主演作「星の子」の第2弾キャストと特報映像が公開されています。
映画「星の子」の原作は、最新作「むらさきのスカートの女」で令和初の〈第161回芥川賞〉を受賞した小説家・今村夏子の同名小説。愛情を持って両親から育てられた主人公のちひろが思春期を迎え、生まれたときの病気を奇跡的に治してしまった“あやしい宗教”を深く信じてしまっている両親に対し、自分が暮らす世界を疑い始めていくというもの。本作も〈157回芥川賞〉候補、〈第39回野間文芸新人賞〉受賞、〈2018年度本屋大賞〉7位になるなど高い評価を受けています。監督・脚本は、『
さよなら渓谷』(2013年)が〈第35回モスクワ国際映画祭〉で“人間関係への深い理解と洗練された演出”と評価され審査員特別賞を受賞し、
樹木希林の遺作の一本となった『
日日是好日』(2018年)で〈報知映画賞〉の最優秀監督賞を受賞した
大森立嗣が務めます。
このたび、第2弾キャストとして、ちひろの父役を
永瀬正敏、母役を
原田知世が演じることが発表されています。永瀬と原田は同じ1983年にスクリーンデビューし、夫婦役では『
紙屋悦子の青春』以来、実に14年ぶり2度目の共演となります。本作では、ちひろの成長を愛情たっぷりに見守る一方で、幼少期、病弱だったちひろを救った“水”と、その水を販売する“あやしい宗教”を深く信じてしまうことから、家が日に日に貧乏になり、挙句の果てにはフリーマーケットで買ったお揃いの緑ジャージしか着なくなる両親を演じます。
公開された特報映像では、芦田愛菜が演じる主人公ちひろの、自らの思春期を思い悩み、ひとり遠くを見つめる姿から始まります。「私、この水飲むと風邪引かないんです」と先生に語るちひろのセリフからは、病弱だったちひろ自身を救った“あやしい宗教”を深く信じている父(永瀬正敏)と母(原田知世)に対する、複雑な感情が垣間見られます。何かから逃げるように街を駆け抜けるちひろ。頭にタオルを乗せて水を掛け合う両親。本格女優として堂々たる主演を果たした芦田愛菜、そして日本映画を牽引してきた永瀬正敏と原田知世が演じる“家族ドラマ”に期待が高まります。
[コメント]信じる事の“純粋さ”と、ある意味“狂気”を家族と言うかけがえのないものの中でどう表現していくのか?
大森立嗣監督の真っ向からのチャレンジを芦田愛菜さん、原田知世さん方と共に、旅出来た事はとても光栄でした。
そこに存在しているだけで愛しさが湧いてくる芦田さん、物語の中の同じ時を過ごして来たその想いを、自然に醸し出してリードして頂いた原田さん、そして再び大森監督の現場に立たせていただい事、、、この作品に関わった全ての皆さんに感謝しています。
“何かを心から信じる”事への“あるひとつの家族”の愛と葛藤の物語を、是非劇場でご覧いただければと思います。――永瀬正敏「未熟児だって、、、ただただ健康に」
映画の冒頭で、日記に書き綴られた母の祈り。
そんな母の切実な思いを胸に演じました。
赤ちゃんのちひろ、小学生のちひろ、そして、中学生になったちひろ。成長していく娘との一つ一つのシーンを演じていく中で、愛おしさが溢れ、同じ思いで娘を見つめる父、永瀬正敏さんの穏やかな温もりに支えられながら、ラストシーンを迎えることが出来ました。
この作品に参加できたことをとてもしあわせに思います。――原田知世©2020「星の子」製作委員会