「リベルタンゴ」や「ブエノスアイレスの四季」など数々の名曲を生み出し、“タンゴの破壊者”と呼ばれた作曲家 / バンドネオン奏者の
アストル・ピアソラ(Astor Piazzolla)。タンゴを元にクラシック、ジャズの要素を融合させた独自の演奏形態を生み出した彼の生誕100周年を記念し、多彩なアーティストによるピアソラの楽曲を収録するベスト盤『
リベルタンゴ〜ピアソラ・フォーエヴァー』と、ピアソラがフィリップスとポリドールに遺したレア盤7タイトルが3月3日(水)に発売されます。
ベスト盤『リベルタンゴ〜ピアソラ・フォーエヴァー』には、代表曲でもある「リベルタンゴ」や「ブエノスアイレスの四季」などを名録音で収録。
シャルル・デュトワ指揮
モントリオール交響楽団や、
マイケル・ティルソン=トーマス指揮ニュー・ワールド交響楽団による「アディオス・ノニーノ」や「タンガーソ」のフル・オーケストラ演奏、名匠
パトリック・ガロワ(フルート)とイョラン・セルシェル(ギター)のデュオによる名作「タンゴの歴史」も聞きどころです。
レア盤復刻は、ピアソラがフィリップスとポリドールに遺した音源をほぼ網羅する7タイトルを初のUHQ-CD化。ピアソラ研究の世界的権威である斎藤充正が全タイトルの解説を担当し、資料としても貴重な内容となっています。彼の最高傑作のひとつに数えられる『
ニューヨークのアストル・ピアソラ[+6]』は、今回世界で初めてオリジナル・アートワークを使用したリイシュー。さらに『
コラボレーションズ』と『
オランピア’77』の初単独CD化となるなど、生誕100周年にふさわしい充実のラインナップとなっています。
このベスト盤発売とレア盤復刻を記念して、ピアソラにゆかりのあるミュージシャンからのコメントが公開中です。
[コメント](敬称略、50音順)「革命家ピアソラ」を強調するあまり、彼が古典的タンゴを愛した事実を隠したい人たちへは「タンゴの歴史/第1〜3集」を、ジャジーでブッちぎりな80年代だけがピアソラの本質と思い込む人には「モダン・タンゴの20年」を突きつけよう。ピアソラはタンゴのひとつ。他ジャンルの人々の玩具ではないことを明確にする重要リイシューだ。――小松亮太(バンドネオン奏者)僕ですら聴いたことのなかった秘蔵音源が、これでもかと収録されていたことに思わず目を見開いてしまった。これは、間違いなく「生誕100周年」という節目でもない限り、我々が俯瞰することのできなかったピアソラの「軌跡」と言えるだろう。――三浦一馬(バンドネオン奏者)ピアソラの音楽が存在していなかったら、タンゴはまだ遠い世界だったかもしれない。
私はギターのお蔭でピアソラの音楽に触れる幸運を得た。心をえぐられるような激しさと 一種の諦観も仰せ持つ音世界。私自身、歳を重ねるほど好きになっている気がする。
現存する珠玉の自作自演の録音を、私達はどう活かしていけるだろうか。――村治佳織(ギタリスト)