イスラエル出身で現在はニューヨークを拠点に活動するトランぺッター、アヴィシャイ・コーエン（Avishai Cohen）の最新作『イントゥ・ザ・サイレンス』（UCCE-1154 2,500円）が、ECMからリリースされました。

　10歳からステージに立ち、小さな頃からTV出演、オーケストラとのツアー、ポップ・アーティストとの共演を経験し、米バークリー音楽大学に進学後の1997年、〈セロニアス・モンク・コンペティション〉で3位に入賞。また2012年には、米『ダウンビート』誌の人気投票でライジング・スターに選ばれるなど、いま世界で最も注目を浴びているトランぺッターのひとりです。本作のリリースは、マーク・ターナーの最新作『Lathe Of Heaven』（ECM / 輸入盤）のレコーディング・セッションに参加したアヴィシャイの演奏をECMのトップ・プロデューサー、マンフレート・アイヒャーが聴き「音色、フレージング、彼のエネルギー、そしてサウンドの純粋さを即好きになった」と絶賛したことから決定したもの。

　本作はECMの特徴ともいえる“美しい響き”を踏襲した作品。前作『ダーク・ナイツ』はアヴィシャイのレギュラー・トリオであるトリヴェニによる作品でしたが、本作はブランフォード・マルサリスとともにグラミー受賞歴もあるNYの凄腕ベーシスト、エリック・レヴィス、イスラエル出身でフランスを拠点に活躍するピアニスト、ヨナタン・アヴィシャイ、ニューヨーク出身でアヴィシャイの盟友ともいうべき俊英ドラマー、ナシート・ウェイツ、ジョン・マクニールとのユニットも話題を呼んだサックス奏者のビル・マックヘンリーとの5人編成でレコーディング。アヴィシャイ自身が「メロディのストーリーやフィーリングを引き出した」という注目作。亡き父に捧げられた祈りと静けさに満ちたアルバムです。