BABYMETALが12月2、3日にSU-METALの故郷・広島の広島グリーンアリーナにて〈LEGEND - S - 洗礼の儀 -〉を開催しました。去る10月15日、“METAL RESISTANCE”と称した活動の第5章を締めくくった〈巨大キツネ祭り in JAPAN〉大阪城ホール公演終了後に発表された本イベント。12月20日に20歳の誕生日を迎えるメンバーのSU-METALは、晴れて成人を迎えるタイミングで初の故郷への凱旋を果たすこととなりました。
初日の開演前、YUIMETALが体調不良のため、2日間とも出演を見送る旨がBABYMETALの公式サイトを通じてアナウンスされたものの、彼女が公演の開催を強く望んでいることもあり、ライヴはSU-METALとMOAMETALの2人によって敢行されました。この〈LEGEND - S - 洗礼の儀 -〉では入場時にマスク、ケープ、ネックレスからなる“三種の神器”が配布され、オーディエンスはこれらを身に着けて“儀式”に参加しました。また、1997年4月2日から2005年4月1日生まれの人を“金キツネ”と称し、該当する世代のファンには特別にチケットが用意されました。渾身のSU-METALの歌唱、集中力が研ぎ澄まされていたMOAMETALのダンス・パフォーマンス、そしてライヴを盛り上げようとするオーディエンスの熱量により、会場は一体化。感動のライヴが繰り広げられました。
この公演を以って“METAL RESISTANCE”第7章へと突入したBABYMETAL。2018年5月18日(金)から20日(日 / 現地時間)にはアメリカ・オハイオのマフレ・スタジアムで行われるロック・フェスティヴァル〈Rock On The Range 2018〉に出演。BABYMETALが同フェスに出演するのは2015年以来2度目。出演者にはTool、Avenged Sevenfold、Stone Temple Pilots、Bullet For My Valentine、Alice In Chainsなどがラインナップされています。また、2018年6月8日から10日(現地時間)にはイギリス・ドニントン・パークで行われるロック・フェス〈Download Festival 2018〉に出演決定。彼女たちがこのフェスに出演するのは、2016年以来2年ぶり。前回はメイン・ステージでパフォーマンスを披露し、オーディエンスを熱狂させました。なお来年の〈Download Festival〉にはGuns N' Roses、Ozzy Osbourne、Avenged Sevenfoldがヘッドライナー。さらには、2018年6月1日から3日(現地時間)に、ドイツで開催される〈Rock am Ring 2018〉〈Rock im Park 2018〉への初出演も決定。各海外フェスの出演日は後日発表されます。
[ライヴ・レポート 12月3日公演] 会場は海外からの参加者を含むオーディエンスで埋め尽くされた。ストーリームービーが流れたあと、巨大なキツネの石像の中からシルバーのベールを身に纏ったSU-METALが登場。彼女は6つのキツネの頭が付いた、中央に魔法陣のセンターステージがある台座に乗り、キツネの戦士といった風貌の男たちに鎖で台座ごと引っ張られる形で、アリーナを後方から前方へ向かって移動していく。そして「BAPTISM -XX-」の魔法陣ゲートが上段に設けられた荘厳な祭壇のようなメイン・ステージにたどり着き、SU-METALが杖を掲げると、参列者たちのマスクの“第3の目”が赤く点灯。さらにその杖をモーゼの如く振りかざすと会場後方まで閃光が走り、台座を引っ張っていたキツネの戦士たちがパーカッションを打ち鳴らして儀式の幕開けを告げた。荘厳でシアトリカルな演出に場内のボルテージは加速度的に高まっていく。
ステージ上手にMOAMETALが登場すると、いつもの白ではなく黒い衣装に身を包んだ神バンドが「イジメ、ダメ、ゼッタイ」を奏でてライヴがスタート。幾つものパイロの炎が噴き出す中、フロアのあちこちでサークルモッシュが巻き起こる。続いて披露された「ギミチョコ!!」ではSU-METALが「Hey! 広島!」と煽ると場内は大きな歓声に包まれた。2人が可愛らしく歌い踊った「ド・キ・ド・キ☆モーニング」のあと、ライヴはSU-METALのソロ曲「紅月 -アカツキ-」へと続き、この曲の間奏では「己との戦い」を彷彿とさせる過去の衣装を纏ったSU-METALとの戦いのパフォーマンスを繰り広げた。この演出に興奮を隠しきれない観客たちの熱量はますますヒートアップしていく。
「GJ!」では、MOAMETALが1人きりで熱いパフォーマンスを披露し、場内から大きな歓声を浴びた。「シンコペーション」では、2人が拳を大きく回しながら歌い踊る。続くバイキングメタル風の「META!メタ太郎」では、どっしりとした重厚な楽曲にあわせて観客へシンガロングをするように促し、演者と観客の一体感は一段と高まっていった。暗転の後「NO RAIN, NO RAINBOW」がスタート。ピアノとストリングス、そして神バンドの演奏に乗せて、SU-METALは情感たっぷりに同曲を歌い上げた。
MOAMETAL1人による渾身の「4の歌」を経て、ライヴは「メギツネ」へと続いていく。観客たちは恒例となった一斉のメギツネジャンプで応えた。楽曲や歌唱がエモーショナルな「KARATE」では、倒れ込んだMOAMETALをSU-METALが引っ張り上げるパフォーマンスを真似る観客が続出。続くハイスピードメタルチューン「Road of Resistance」ではアリーナの各ブロックに巨大なウォールオブデスが発生。会場一体になってのシンガロングパートのあと、SU-METALが鋭い眼光で「かかってこいよ!」と煽るとオーディエンスはさらに熱狂した。続く「ヘドバンギャー!!」では、SU-METALが「15の夜」という歌詞を「ハタチの夜」に替えて熱唱。この粋な計らいに観客は大歓喜し、激しいヘッドバンギングを繰り出した。「BABYMETAL DEATH」では、2013年の「LEGEND 1997」のようにメイン・ステージ上で儀式が行われ、SU-METALは炎に包まれながら磔に。その後は、SU-METALが自らの身体を燃やし、新たな時代の“メシア”になるというストーリームービーが上映された。やがて金色の衣装に身を包んだSU-METALがキツネ像の中から姿を現し、「THE ONE - English ver. -」をしっとりと歌い始めると、参列者のマスクの“第3の目”がそれに呼応するように点灯した。壮大かつ幻想的な雰囲気の中、MOAMETALも金色の衣装に身を包んで再びステージに現れ、SU-METALと合流。最後は祭壇上の「BAPTISM -XX-」の魔法陣ゲートが開き、2人はあらたな旅立ちへと向けて出発するように光の中へと導かれ、「LEGEND - S - 洗礼の儀 -」は幕引きとなった。
本公演は、前述のとおりYUIMETALが不在の中で行われたが、渾身のSU-METALの歌唱、集中力が研ぎ澄まされていたMOAMETALのダンスパフォーマンス、そしてライヴを盛り上げようとするオーディエンスの熱量により、会場はひとつ「THE ONE」となり、大掛かりな舞台装置、壮大な演出も相まって、とても感動的なライヴとなった。ストーリームービーで語られた言葉に重ねると、類い稀なヴォーカリストへと成長したSU-METALがこれからも歌い続けるのは天命であり、運命であり、宿命であり、BABYMETALのさらなる進化、活躍を期待せずにはいられない。今宵のSU-METALの20歳を祝う盛大な聖誕祭は観客たちの脳裏に一生記憶として残っていくことだろう。
文 / teri
写真 / Tsukasa Miyoshi(Showcase)
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BABYMETAL
LEGEND - S - 洗礼の儀-2017年12月3日 広島グリーンアリーナ
[セットリスト]
01. 新曲
02. イジメ、ダメ、ゼッタイ
03. ギミチョコ!!
04. ド・キ・ド・キ☆モーニング
05. 紅月 -アカツキ-
06. GJ!
07. シンコペーション
08. META!メタ太郎
09. NO RAIN, NO RAINBOW
10. 4の歌
11. メギツネ
12. KARATE
13. Road of Resistance
14. ヘドバンギャー!!
15. BABYMETAL DEATH
16. THE ONE - English ver. -■
Rock On The Range 20182018年5月18日(金)〜20日(日)
アメリカ オハイオ コロンバス マフレ・スタジアム
rockontherange.com※BABYMETALの出演日は後日発表■
Download Festival 20182018年6月8日(金)〜10日(日)
イギリス ドニントンパーク
downloadfestival.co.uk※BABYMETALの出演日は後日発表■
Rock am Ring 20182018年6月1〜3日
ドイツ ニュルブルク ニュルブルクリンク
www.rock-am-ring.com※BABYMETALの出演日は後日発表■
Rock im Park 20182018年6月1〜3日
ドイツ ニュルンベルク ツェッペリン・フィールド
www.rock-im-park.com※BABYMETALの出演日は後日発表