10月11日(現地時間)に米・ロサンゼルス MSG Live and the Forumで行われた、アメリカでは初のアリーナ公演となる〈BABYMETAL METAL GALAXY WORLD TOUR LIVE AT THE FORUM〉を大成功に収めた
BABYMETALが、2日後の10月13日(現地時間)に米・サクラメントのディスカバリーパークにて開催されたロック・フェスティバル〈Aftershock Festival 2019〉に出演。洗練された圧倒的なパフォーマンスを披露し、観客を熱狂の渦に巻き込みました。
新作アルバムが全米アルバム・チャートの1位を獲得した
トゥールや
スリップノットをはじめ、
ブリンクワンエイティツー、
コーン、
ステインド、
ロブ・ゾンビなど数多くの実力派アーティストが集う中、BABYMETALは14:55(現地時間)に2ndステージに登場。会場を埋め尽くす満員のオーディエンスの前で、新曲「Shanti Shanti Shanti」「PA PA YA!! (feat. F.HERO)」など全8曲を披露しました。
ライヴは1曲目の「メギツネ」から激しいモッシュが発生。アメリカのロック・フェスではよく見られる光景、若い女性が何人もサーフをするなど、初っ端から場内は興奮の坩堝と化しました。人気曲の「ギミチョコ!!」「KARATE」ではひときわ大きな歓声が上がり、ラスト・ナンバー「Road of Resistance」ではあちこちで大きなサークル・ピットができるなどライヴは全曲通して終始大盛り上がり。ファンは元より、BABYMETALのライヴを初めて見る観客に対しても大きなインパクトを残し、大盛況のもとライヴは終了。終演後に彼女たちへ向けられた歓声や拍手は、しばらくの間止むことはありませんでした。
なお、9月4日(水)の米オーランド公演を皮切りに、全米20ヶ所をまわる〈BABYMETAL US TOUR 2019〉を完遂したBABYMETALは、UK出身のロック・バンド、
ブリング・ミー・ザ・ホライズンをゲストに迎えるワールド・ツアー日本公演を11月16日(土)と17日(日)に埼玉・さいたまスーパーアリーナ、11月20日(水)と21日(木)に大阪・大阪城ホールにて開催。さらに、2020年1月25日(土)、26日(日)には千葉・幕張メッセ 国際展示場にて〈METAL GALAXY WORLD TOUR IN JAPAN EXTRA SHOW LEGEND - METAL GALAXY〉を開催します。
Photo: Taku Fujii[ライヴ・レポート] 開演10分前に場内を見渡すと、最後方が見えないほどの大勢の観客で埋まっていた。周囲にはタトゥーを入れたメタラーがたくさんいるが、多くの女性ファンの姿も目に付いた。待ちわびたファンによる“BABYMETAL”コールが発生したのち、代表曲「メギツネ」でライヴが始まると、場内からは大きな歓声が沸き起こった。間奏に差し掛かる頃にはモッシュ・ピットが形成され、厳つい男たちが無邪気な笑みを浮かべてモッシュをして楽しんでいる様子が目に留まった。SU-METALが“HEY!AFTERSHOCK!”と煽るとさらなる歓声が沸き、頭上を若い女性が何人もサーフしていった。アメリカのロック・フェスではよく見られるその光景を、MOAMETALとアベンジャーズ(サポート・ダンサー)の2人が笑顔で踊りながら眺めているのが印象的だった。
続けて「Elevator Girl」の英語ヴァージョン、「Shanti Shanti Shanti」が披露されると、ある者はリズムに合わせて体を揺らし、ある者は洗練されたダンス・ルーティンに心奪われたといった具合にステージを凝視し、またある者は楽しい感情むき出しに再びモッシュに興じた。場内の熱気がどんどん上昇する中「Distortion(feat. Alissa White-Gluz)」が始まるとピットは再度爆発。イントロが始まった直後には“Wall of Death”が発生。歓びに満ちた奇声があちこちで上がった。盛り上がりは次の「PA PA YA!! (feat. F.HERO)」でも衰えることはなく、大勢がタオルや突き上げた腕を回して熱狂した。
10月11日に世界同時発売されたばかりの3rdアルバム『METAL GALAXY』に収録されている新曲が立て続けに披露されただけでこれだけ盛況なのだから、この後に人気曲の「ギミチョコ !!」や「KARATE」が来るともう場内はお祭り騒ぎ。前者では激しいモッシュが頻繁に起こり、後者では多くの観客がグルーヴを感じながら体を揺らし、間奏後にはステージ上のBABYMETALと一緒になって大きくジャンプを繰り返した。そしてラストを飾る「Road of Resistance」では再び大きな“Wall of Death”やサークル・ピットが発生。途中のシンガロングの声も大きく、惜しみない拍手喝采を浴びながら大盛況のライヴは幕を閉じた。
ライヴ時間は40分ほどだったが、最後まで勢いが衰えることのない密度の濃さ。ステージから放たれる気焔を伴った音像に大勢が狂喜乱舞し、予想を遥かに上回る盛り上がりを見せた。2日前のロサンゼルス・The Forum公演を大成功に終えたことで肩の荷が下りたのか、力みのない、それでいて芯の通ったヴォーカル・SU-METALの歌唱は圧巻で、ちょうどその時間空いていた隣のメイン・ステージは元より、広い会場全体に彼女の力強い歌声は響いていたことだろう。なおメイン・ステージ、2ndステージともに縦長で、後方には特設のスクリーンが用意されており、ライヴが行なわれていない間は他のステージのライヴ映像が映し出されていたので、クオリティの高いシアトリカルなBABYMETALのライヴショウを会場にいる多くの観客にアピールできたことだと思う。また、MOAMETALを中心に綺麗にシンクロするダンス・パフォーマンスからはひと時も目が離せず、常に堂々とした振る舞いや佇まいで会場を支配する3人には感銘を受けた。単純に楽しいから勝手に体が動いたのだろうが、ライヴを大いに盛り上げたアメリカ人観客の姿勢が素晴らしかったことも最後に付け加えておく。終演後、“またアメリカに戻ってきて!”と何度も叫ぶ若いアメリカ人女性の泣き笑いの表情が未だ瞼の裏に残っている。 文 / teri
■Aftershock Festival 2019
2019年10月13日(現地時間)
アメリカ サクラメント ディスカバリーパーク
BABYMETAL
[セットリスト]
01. メギツネ
02. Elevator Girl - English ver. -
03. Shanti Shanti Shanti
04. Distortion(feat. Alissa White-Gluz)
05. PA PA YA!! (feat. F.HERO)
06. ギミチョコ!!
07. KARATE
08. Road of Resistance