バンド・エイドの40周年を記念して、「ドゥ・ゼイ・ノウ・イッツ・クリスマス?」の“2024アルティメット・ミックス”がオリジナル・ヴァージョンのレコーディングからちょうど40周年を迎える現地時間11月25日(月)に、ラジオ番組を通してイギリス全土で初放送されます。放送と同時にすべての音楽配信サービスでストリーミング配信を開始。この新ミックスを含み、新たに制作されたジャケットの『ドゥ・ゼイ・ノウ・イッツ・クリスマス?』が1CDの日本盤、1CDと12インチ・アナログ盤の輸入盤で11月29日(金)に発売されます。このシングルの売上からレコード会社が得たすべての収益は、国ごとにチャリティ団体が認めた費用を差し引いた上で、バンド・エイド・トレーディング・リミテッドに寄付されます。
「ドゥ・ゼイ・ノウ・イッツ・クリスマス?」はこれまで3度、3世代にわたり録音されてきました――1度目はバンド・エイド(1984年)、2度目はバンド・エイド20(2004年)、3度目はバンド・エイド30(2014年)です。ささやかなクリスマスのポップ・ソングとして作られたこの楽曲は、ポピュラー音楽史に残る偉大なイベントの開催に繋がりました。そして、過去40年あまりの英国ロック史を代表する才能が集結した「ドゥ・ゼイ・ノウ・イッツ・クリスマス?」は最終的に、その明確な目標の実現に向けて当時の政府を巻き込むことにも成功しました。このたびプロデューサーを務めた
トレヴァー・ホーンは、時代を超えて“変化をもたらす1曲”であり続けている同曲の40周年を祝してそれら3つのヴァージョンをすべて使用し、驚くべき音楽制作技術で各世代のすべての歌声を調和させ、継ぎ目のない一つの楽曲に仕立てました。
11月25日に公開される「ドゥ・ゼイ・ノウ・イッツ・クリスマス?(2024アルティメット・ミックス)」では、若かりし頃の
スティングと若き
エド・シーランの歌声が一つになって聴こえてきます。同様に、若いころの
ボーイ・ジョージと若き
サム・スミスの、若いころの
ジョージ・マイケルと若き
ハリー・スタイルズの歌声が重なります。さらには若い頃の
ボノと歳を重ねた後のボノ、
クリス・マーティンとガイ・ガーヴェイ、
シュガーベイブスと
バナナラマ、
シールと
シネイド・オコナー、
リタ・オラと
ロビー・ウィリアムス、
クール&ザ・ギャングと
アンダーワールドの“共演”も楽しめます。そしてそれらのヴォーカルを支えるのは、ベースの
ポール・マッカートニー、スティング、
ジョン・テイラー、ドラムの
フィル・コリンズ、
ロジャー・テイラー、ダニー・ゴフィー、ピアノの
トム・ヨーク、ギターの
ポール・ウェラー、
デーモン・アルバーン、
ミッジ・ユーロ、
ジョニー・グリーンウッド、
ゲイリー・ケンプ、ジャスティン・ホーキンスらで構成されるバンド・エイドのハウスバンドによる演奏です。
トレヴァーは音楽面、プロデュース面での並外れた偉業を成し遂げ、“世界を変えた一曲”を再構築してみせましたが、それ以上に重要なのは彼が1984年当時の精神まで現代に蘇らせたことでした。それはつまり、1984年11月下旬の日曜の朝早くにノッティング・ヒルの通りをぶらぶら歩いたり、疲れ気味に車からよろよろと降りてきたりする若くてあどけないポップ・スターたちを、かの偉大な
デヴィッド・ボウイが紹介する場面をもう1度目にすること――数十年にわたる苦闘のきっかけとなった、伝説的なマイケル・バークによるBBCのニュース・リポートに耳を傾けること――怒鳴りつけられたり、説教されたり、頭を叩かれたりすることなく、当時何が起こっていたのか、なぜ起こっていたのか、そして何か重大なことが始まろうとしていたことを理解することです。
「ドゥ・ゼイ・ノウ・イッツ・クリスマス?」は英国のロック音楽の集大成であると同時に、図らずも同国の視覚芸術に幅広く影響を与える楽曲になりました。1984年以来、バンド・エイドの作品はピーター・ブレイク、トレイシー・エミン、ダミアン・ハースト、マット・メイトランドがそれぞれ手がけたオリジナルのアートワークに彩られてきました。
最初のバンド・エイドの結成時にユニークなジャケットをデザインするよう依頼されたピーター・ブレイクは、クリスマス・カードの典型的なモチーフに、飢餓に苦しむ子どもたちの写真を組み合わせることで新たな傑作を生み出しました。そしてそこには、楽曲の根幹にあるテーマが見事に表現されていた――つまり、家族と一緒に特権を享受できるほど幸福で裕福な私たちの世界と、恐怖と飢え以外何もない、不必要なほど悲惨な世界がそこには対比されていました。すべての人々を共感の渦に巻き込むため、自身の代表作となっている一枚の写真をピーターの作品に提供したのは、象徴的な写真家として知られるデヴィッド・ベイリーでした。
ピーターは現在93歳ですが、歴史に深く刻まれるこの楽曲の40周年を祝うべく、ふたたびバンド・エイドのチームに加わることとなりました。彼は過去40年お間にわたりバンド・エイドの歴史を形作ってきた過去のアートワークを使用しながら、じつに美しく、完璧に“的を射た”、名作と呼ぶにふさわしい作品を作り上げました。このジャケットは、視覚的な思いやり、理解、寛容、そして英国アート界が誇る心穏やかな巨匠から滲み出る“人間性”に満ちています。