ビッグ・スター 2003/04/21掲載(Last Update:08/03/31 17:57)
オリジナル活動時の70年代ではなく、ティーンエイジ・ファンクラブのメンバーらによって90年代に再評価を獲得し、現在ではパワー・ポップ/ギター・ポップ・バンドの先駆け的存在としても高く評価されているメンフィス出身のロックンロール・バンド
“ビッグ・スター”。先日発表された
ヨ・ラ・テンゴの傑作『Summer Sun』でも、ビッグ・スターの曲がカヴァーされていたりと、現在も再評価継続中。
さて、その彼らの軌跡を辿ったベスト・アルバム
『Big Star Story』が6月3日に“Rykodisc”からリリースされる予定。当初は4月22日のリリースが予定されていたこのCDだが、リリースが遅れるお詫びってわけでもなかろうが、全18曲の中には未発表音源「Hot Thing」も用意。この未発表音源、オリジナル活動時ではなく93年の再結成ライヴ時(ライヴ・アルバム
『Columbia』(写真)で聴ける)の音源なのが少々残念だが、アレックス・チルトンとジョディ・スティーヴンスのオリジナル・メンバーに加え、ポウジーズのケン・ストリングフェロウとジョン・オウアーが加わった編成ながら、ケンとジョンの“ビッグ・スター好き”が如実に伝わってきて、継ぎ接ぎ感/違和感もそんなに感じさせない雰囲気なので、オリジナル結成時の音源でビッグ・スターを聴き終えてしまっているファンにも、これを機に聴いてもらいたいもの。92年に出ているベスト・アルバム『The Best of Big Star』ともほとんど曲が被っていないのも嬉しいこのベスト、全18曲の中には、78年に他界してしまったオリジナル・メンバー、クリス・ベルが残した名曲中の名曲「I Am The Cosmos」も収録されているあたり、さすがRykoは“分かっています”。ジャケット・デザインは、「ん?」な感じに思えなくもないですがね。さて、日本盤は?
一方、日本でもビッグ・スターに関するリリースが。こちらは“STAXロック紙ジャケット復刻”と銘打たれた復刻企画で、1stアルバム
『#1 Record』(72年・VICP-62291)と2ndアルバム
『Radio City』(74年・VICP-62292 価格はどちらも¥2,520(税込))が再登場。と言っても、過去に日本で入手可能だったのはこの2作品の2in1仕様盤だったので、単品CDでの登場はこれが初。それも紙ジャケット仕様。こちらはビクターエンタテインメントより6月11日のリリース予定。今回の紙ジャケット復刻には、他にカーゴとホット・ドッグスのアルバムも待機。無事、リリースされるよう星に願いましょう。
『Big Star Story』
1.September Gurls
2.Thank You Friends
3.Don’t Lie To Me
4.Ballad Of El Goodo
5.Holocaust
6.I Am The Cosmos
7.In The Street
8.You Get What You Deserve
9.13
10.You & Your Sister
11.Back Of A Car
12.Jesus Christ
13.Mod Lang
14.Baby Strange
15.O Dana
16.Motel Blues
17.Nightime
18.Hot Thing