1978年に実現した
ボブ・ディラン(Bob Dylan)の初来日公演から45周年を記念し、当時、東京・日本武道館で行なわれた2公演を完全収録する『
コンプリート武道館』が11月15日(水)に日本先行発売されました。このアルバムは11月17日(金)に海外でも発売され、11月9日に発売された英国の音楽雑誌『UNCUT』では『コンプリート武道館』を大フィーチャー。このアルバムを総合監修した菅野ヘッケルへのインタビューを掲載し、菅野が78年に撮影したボブ・ディランのオフショットが特典ポスターとして封入されています。菅野へのインタビューは『UNCUT』のウェブサイトでも読むことができます。
『UNCUT』の特典ポスターとなった写真は、菅野が1978年当時の2枚組LP『武道館』の発売許諾を得るため、78年6月にテストプレスと2パターンのジャケット見本を持ってロサンゼルスに飛び、コンサート会場の楽屋でボブ・ディランが「グッド・アルバム、いつリリースするんだ?」と言ってリリースの許諾をだしたときの写真。今回の『コンプリート武道館』のために当時のアイテムを探している中、菅野の自宅で発見された、これまでに公開されたことのない貴重な写真です。写真左下のボブ・ディランの手元には許諾を出したばかりの『武道館』のジャケット見本を見ることができます。
78年のディランとの面会を菅野は以下のように振り返っています。「78年3月に日本公演が終わったあと 2日間のレコーディングしたテープをエンジニアのトム鈴木と六本木のスタジオで何週間かかけてミキシングした。最終的にレコードにしていいかどうかはファイナルのテープをボブ自身が聞いて判断すると言われていた。78年6月1日から1週間LAでボブがコンサートをやるのでそのときにテスト盤とジャケットの見本を持って来いという指示が入ったので、急遽ラッカーテスト盤を4枚と2種類のジャケット見本を持ってLAへ飛んだ。6月1日に秘書に渡すと“ボブが聞いて、1週間の間にどっかで返事をするから待っていて”と言われた。その1週間のコンサートの最終日6月7日にボブの秘書から“楽屋に来なさい。ボブが最終的な返事をするから”と連絡が入り、ユニバーサル・アンフィシアター野外劇場に向かった。楽屋も野外で、いくつかの楽屋用キャビンがあり、大きな広場にはキャンプで使うようなテーブルがあった。一つのテーブルに座って待ってるとしばらくしてボブがラッカー盤とジャケット見本を抱えてやってきて、僕の座ってる向かい側に座った。座ると同時に彼の口から“Good album! いつ出すんだ?”という声が聞こえ、その瞬間僕は“やった! これで日本で出せるぞ、許可が出た”と喜んだ。その後はわりと緊張感が解けて 少しリラックスでき、そのときに写真も撮っていいと言われたので一枚写真を撮った。それが今回の『コンプリート武道館』のブックレットにも載っている」。
また、ボブ・ディラン『コンプリート武道館』の発売にあわせ、8LP BOXの開封動画が公開されています。