昨年10月にEP『SABLE』を発表したボン・イヴェール(Bon Iver)が、6年ぶりのアルバム『SABLE, fABLE』を4月11日(金)に発表します。EP『SABLE』の3曲「THINGS BEHIND THINGS BEHIND THINGS」「S P E Y S I D E」「AWARDS SEASON」を含む、全12曲を収録。アルバムからの新曲「Everything Is Peaceful Love」が、2月14日9:00(CT / 日本時間15日0:00)にJohn Wilsonが撮影 / 編集したミュージック・ビデオとあわせて公開されます。
ジャスティン・ヴァーノンとジムイー・スタックがプロデュースした『SABLE, fABLE』は、おもに米ウィスコンシン州にあるヴァーノンのスタジオ「April Base」でレコーディングされました。このアルバムのコンセプトは、2.22.22(2022年2月2日)にスタックがハイムのダニエル・ハイムとともにApril Baseを訪れたときに生まれました。雪に覆われた数日間に、ヴァーノンとハイムは「If Only I Could Wait」を歌いました。このデュエットは「新しい愛の輝きの外では、自分自身の最高のヴァージョンになる強さを持っていない」という重要な視点を持っています。
『SABLE,』がプロローグなら、『fABLE』は本と言えるでしょう。しかし、それらがひとつになった『SABLE, fABLE』はアルバムであり、おとぎ話ではありません。夢中になること、そしてそれがこれらの曲にもたらす強烈な明晰さ、集中力、正直さ、祝福には、紛れもない癒しがあるのかもしれません。「Everything Is Peaceful Love」は、恋に落ちる相手に出会って幸福感に打ちひしがれる男の肖像です。しかし、『SABLE,』の影はまだ迫っており、リセットして再出発しようと努力しても、古い感情が戻ってくることがあるのです。
寓話のように、アルバムの各トラックは教訓を孕んでいます。『fABLE』は、他者や恋人と関わるときに必要とされる無私のリズム、つまり、より良くなるためのペースを見つけるための忍耐強いコミットメント、そして一体感について歌っています。『i,i』や『22, A Million』でヴァーノンの声を守っていた、回避的で濃密な音の層はもうありません。『SABLE, fABLE』は、真実を剥き出しにしたキャンバスなのです。