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ブランフォード・マルサリス、ブルーノート移籍第1弾はキース・ジャレット『ビロンギング』の再演

ブランフォード・マルサリス   2025/01/30 10:52掲載
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ブランフォード・マルサリス、ブルーノート移籍第1弾はキース・ジャレット『ビロンギング』の再演
 40年以上にわたって活躍するジャズ・サックス奏者、ブランフォード・マルサリス(Branford Marsalis)が、6年ぶりの新作で、名門ブルーノート・レコードへの移籍第1弾となるアルバム『ビロンギング』を3月28日(金)に発表します。キース・ジャレット・ヨーロピアン・カルテットがECMから1974年に発表したアルバム『ビロンギング』を曲順もそのまま、全編再演したもの。アルバムからのリード・トラック「Spiral Dance」が公開されています。

 “ブランフォード・マルサリス・カルテット”の名義で発表される新作は、マルサリスのほか、ジョーイ・カルデラッツォ(p)、エリック・レヴィス(b)、ジャスティン・フォークナー(ds)により録音されました。

 マルサリスは、ジャレットの『ビロンギング』が1974年にリリースされたとき、ほかの音楽に夢中になっていたことを認め、「当時は高校1年生でR&Bを聴いていてキース・ジャレットのソロ・ピアノ作品は知っていたものの、『ビロンギング』の存在も知らなかった。でも私がジャズに注目するようになった途端、それは大きく変わった。ピアニストのケニー・カークランドが、サックス奏者のヤン・ガルバレク、ベーシストのパレ・ダニエルソン、ドラマーのヨン・クリステンセンを擁するキース・ジャレットのヨーロピアン・カルテットを紹介してくれた。80年代のある日、私たちは飛行機に乗っていて、ケニーがヘッドホンを私の耳に当てて、キース・ジャレット・ヨーロピアン・カルテットの1979年のアルバム『マイ・ソング』を聴かせてくれたんだ。彼が5分後にヘッドホンをとり戻そうとしたとき、私は彼の手をひっぱたいて遠ざけたほど感動した」と回想しています。

 2019年の前作『The Secret Between the Shadow and the Soul』には『ビロンギング』に収録されている「The Windup」が入っており、マルサリスは当時を振り返って「前作のためにみんなで〈The Windup〉を聴いていたら、レヴィスが『ビロンギング』を丸々レコーディングすればいい。アルバム全体がとても素晴らしいし、いろいろなことができるはずだと言ったんだ。パンデミックが終わった後も、私たちはまだ、そうだ、これをやるべきだと感じていた」とコメント。このカルテットは、これまでもチャールズ・ミンガスモダン・ジャズ・カルテットジョン・コルトレーンなどのクラシックにマルサリスのこれまでのアプローチを適用してきました。「楽曲〈ビロンギング〉では、ヤンがレコードで演奏していたものを明確に演奏した」「しかし、意識的にオマージュを捧げようとは思っていなかった。私はいつもサックス・ソロだけでなく、レコード全体を聴いている。『ビロンギング』で最も印象的なのは、すべてがうまく調和していることなんだ」。

 『ビロンギング』のレコーディング時に初めて招集され、後に1970年代を代表するグループとなったジャレットのバンドとは異なり、マルサリス・カルテットはバンドとして稀有な歴史を持っています。レヴィスは1996年、カルデラッツォは1999年、フォークナーは2009年にカルテットに加入しており、互いの音を聴き、反応する比類なき才能を有しています。マルサリスにとって同じくらい重要なのは、時間が与えてくれた教訓だと言います。「私たちの最大の利点は、キースのバンドが持っていなかった50年分の情報と、その共有された経験を処理する能力だと思う」。さらに、「このグループの目的は、ジャズ・グループというより室内楽グループに近いものだ」と指摘し、その過程で彼は、自分のアプローチに妥協することなくリスナーを魅了しています。「どんな音楽でも、聴衆が求めているのは素晴らしいメロディと伴奏のビートだ。僕らの旅がどこへ行こうが、リスナーがダンスを続ける限り、関係ないんだ」。


Photo by Zack Smith

ユニバーサル ミュージック
www.universal-music.co.jp/branford-marsalis
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