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ブライアン・イーノ、17年ぶりのヴォーカル・アルバム『FOREVERANDEVERNOMORE』を発表

ブライアン・イーノ   2022/07/28 22:00掲載
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ブライアン・イーノ、17年ぶりのヴォーカル・アルバム『FOREVERANDEVERNOMORE』を発表
 京都で開催中の展覧会「BRIAN ENO AMBIENT KYOTO」も話題のブライアン・イーノ(Brian Eno)が、2005年のアルバム『Another Day On Earth』以来17年ぶりとなるヴォーカル・アルバム『FOREVERANDEVERNOMORE』を10月14日(金)に発表します。ドルビーアトモス音源での配信も予定。

 2021年8月に世界遺産のギリシャ アクロポリスで行なわれた、11年ぶりのライヴ・パフォーマンスのためにイーノが作曲した「There Were Bells」「Garden of Stars」のスタジオ録音と、環境問題への取り組みを目的に英ロンドンのサーペンタイン・ギャラリーで開催中の展示会「BACK TO EARTH」のために制作したオーディオ・インスタレーション作品「Making Gardens Out of Silence」を含む全10曲を収録。

 アルバムから先行シングル「There Were Bells」が配信中。あわせて、2021年8月に弟のロジャー・イーノとともにアクロポリスで行なったコンサートの映像を使用したパフォーマンス・ビデオも公開されました。この曲は、現在の気候の非常事態を意識させるもので、このテーマはアルバム全体を通して取り上げられています。コンサート当日のアテネは気温45度。周辺部で山火事も発生した状況に、イーノは「我々はここ、西洋文明の発祥の地にいますが、おそらくその終わりを目撃していると思いました」とコメントを残しています。

 今作には長年のコラボレーターであるギタリストのレオ・エイブラハムズ、ソフトウェア・デザイナーでもあるピーター・チルヴァース、ヴォーカリストのクローダ・シモンズ、エレクトロニック・ミュージシャンのジョン・ホプキンスに加え、弟のロジャー・イーノ、娘のセシリー・イーノとダーラ・イーノが参加しています。

[コメント]
皆さんと同じように(どうやら世界のほとんどの政府を除いて)、私は狭まっていく不安定な未来について考え、この音楽は、そのような考え、いえ、“感情”から生まれたものです。このような思いを共有する私たちは、世界が目まぐるしく変化し、その大部分が永遠に消え去ろうとしていることを理解しています……だから、このアルバムのタイトルにしたのです。
このアルバムは、何を信じてどう行動すべきかを伝えるためのプロパガンダではありません。私自身が自分の“感情”を探求している証です。リスナーの皆さんとも、このような経験や探求を共有できればと願っています。
私たちアーティストが、実は“感情の商人”であるという考えを受け入れるまで時間がかかりました。“感情”というものは主観的なのです。数値化したり比較したりするのが難しいので科学的には語られませんが、“感情”は思考の始まりで、なくてはならない存在でもあるのです。“感情”は、脳が意識している以上の広いレンズで、身体全体に影響を及ぼすものです。
アートによって、私たちはその“感情”を知り、気づき、そこから学び、好き嫌いを知り、そこから“感情”を“行動”に変えていけるのです。子どもは遊びを通して学び、大人はアートを通して遊びます。アートは“感情”を持つ空間を与えてくれますが、本を閉じたりギャラリーから出るように、オフスイッチもついています。アートは、楽しいことも辛いことも、“感情”を経験する安全な場所です。その“感情”は、私たちが切望するものであることもあれば、避けたいものでもあります。
地球を救う唯一の希望は、私たちが地球に対して異なる“感情”を抱き始めることだと、私はますます確信しています。生命の驚くべきありえなさに再び魅了され、すでに失ったものに後悔や辱めを感じ、私たちが直面している挑戦と不透明な未来に爽快感を覚えるかもしれません。簡潔に言えば、私たちは自然、文明、そして未来への希望に、再び恋に落ちる必要があるのです。

――ブライアン・イーノ


©Cecily Eno

ブライアン・イーノ『FOREVERANDEVERNOMORE』
BrianEno.lnk.to/al_FOREVERANDEVERNOMOREPR
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