Buffalo DaughterがV2レコーズ在籍時に発表したアルバム『
Pshychic』(2003年)と『
Euphorica』(2006年)がアナログ盤で発売されたのを記念して、この2枚のアルバムを全曲再現するツアー〈25+1 Party〉が5月30日(木)の東京・恵比寿 LIQUIDROOM公演からスタート。本公演には、ゲストとして
中村達也、
小山田圭吾、
菊地成孔、
AAAMYYY(
Tempalay)、SASUKEが登場。満員の客席を盛り上げました。
ツアーはこの後、6月14日(金)兵庫・神戸 VARIT(ゲスト: 和田晋侍〈
DMBQ,
巨人ゆえにデカい〉)、6月15日(土)京都・CLUB METRO(ゲスト:
山本精一)、6月29日(土)福岡・北九州 小倉FUSE(Opening DJ: 常磐 響)の3公演を開催。いずれの公演もチケットは発売中です。
また、会場オープニングBGMのプレイリスト〈Buffalo Daughter “25+1 Party” opening BGM〉が
SPOTIFYにて公開されています。
カン、ノイ!、ジェイムス・ブラウン、ハリー・ニルソンなど、結成25周年を振り返るゆかりの深い楽曲が選曲されています。
[ライヴ・レポート]
Buffalo Daughter が2003年にリリースした4作目のアルバム『Pshychic』と、2006年の5作目『Euphorica』の初アナログ化と結成25+1年を祝福し、この2タイトルを全曲再現するスペシャル・ライヴ・ツアーを行なっている。初日5月30日の恵比寿LIQUIDROOMでは豪華なゲストと共に満杯のオーディエンスを楽しませた。
拍手に迎えられステージに現れたシュガー吉永(g、vo他)、大野由美子(b、vo他)、山本ムーグ(ターンテーブル、vo)は、サポートメンバーの松下敦(ds)、奥村建(コンピュータ他)とともに、2タイトルの曲を取り交ぜて構成し新曲も加えた全16曲を、2部構成で演奏。タイトな演奏でおおらかなサウンドスケープを作り出す、彼らならではのライヴ空間がたちまちのうちにオーディエンスを包み込んだ。
前半のゲストは、「Lost Guitar」「Bird Song」にシンガー・ソングライター&トラックメイカーAAAMYYY(Tempalay)、「Elephante Marinos」で登場したのは、16歳のトラックメイカーSASUKE。海外からも注目され、この曲の最新リミックス・ヴァージョンを手がけている。無邪気にダンスも披露したSASUKEにシュガーが「踊れるっていいね。ムーンウォーク教えてもらったんだ」と感心した後に、緊張感のある新曲「Don't Punk Out」を披露。
濃厚な演奏に酔わせた「Cyclic」から休憩を挟んでの後半は、「Winter Song」にギターで小山田圭吾、「Mutating」にドラムで中村達也が参加。中村のダイナミックなドラミングはBuffalo Daughterの曲を別物のように響かせ、中村と対峙するようにシャウトするムーグに歓声が起こった。「Deo Volente」で中村とともにサックスで参加した菊地成孔も然り。フリーフォームのブロウとドラムの呼応は、クールなBuffalo Daughterサウンドを有機的に揺らしてみせた。本編最後は菊地のプレイがメインになったと言ってもいい「303Live」。スリリングな演奏に圧倒された。アンコールの「Psychic A Go-Go」で小山田が再び参加し、多幸感のあるサウンドでフィナーレへ。多彩なゲストと共に見せた今までにないBuffalo Daughterに、さらなる可能性を感じた貴重なライヴだった。 文: 今井智子