キャット・パワーが、2022年11月5日ロイヤル・アルバート・ホールにて行なった、ボブ・ディランの伝説的コンサートを完全カヴァーしたコンサート音源を収めたライヴ・アルバム『Cat Power Sings Dylan: The 1966 Royal Albert Hall Concert』を11月10日(金)にリリースすることを発表。あわせて、アルバムから、キャット・パワー独自のスタイルでカヴァーした「She Belongs to Me」や「Ballad of a Thin Man」が先行配信スタートしています。
2000年作『The Covers Record』、2008年作『Jukebox』、2022年作『Covers』に続くカバー企画の最新作でもある『Cat Power Sings Dylan: The 1966 Royal Albert Hall Concert』は、そんな伝説のコンサートを、キャット・パワーことショーン・マーシャルがまるごとカヴァーした特別な作品。キャット・パワーは「他のどのソングライターの作品よりも、ディランの曲は、私が5歳の時に初めて聴き始めて以来、私に語りかけ、私にインスピレーションを与えてきた」とボブ・ディランについて語っています。
このアルバムは、ディランの楽曲に対する彼女の真摯な想いに満ちあふれており、公開された一曲目の「She Belongs To Me」の頭の数秒を聴くだけで、彼女が今作を通して、何十年もの間、彼女の心の中に生き続けてきた曲をリスナーと分かち合おうとする姿勢が伝わります。キャット・パワーは同曲について「過去に『She Belongs To Me』を歌ったとき、一人称にして歌うことがあった。“I am an artist, I don’t look back”って (原曲の歌詞は“She's an artist, she don't look back”)。本当にそう思ってたから。だけどロイヤル・アルバート・ホールでのコンサートでは、もちろんオリジナルと同じように歌ったわ。曲自体と偉大な作曲家への敬意を込めてね」とコメント。
また、公開されたもう1曲「Ballad of a Thin Man」では、オリジナル・コンサートで最も有名な瞬間にちなみ、「Ballad of a Thin Man」が始まる直前に観客が「ユダ!」と叫ぶと、キャット・パワーはそれに応えてイエスの名を静かに唱える場面も収録されています。
本アルバムには、「It's All Over Now, Baby Blue」「Mr. Tambourine Man」「Like A Rolling Stone」などの名曲に加え、「Just Like A Woman」を含む『Blonde on Blonde』からの数曲を含む15曲を収録。オリジナルのコンサート (そして1966年のディランのワールド・ツアーのすべて) と同様、マーシャルはセットの前半を完全にアコースティックにし、後半はギタリストのArsun Sorrenti、ベーシストのErik Paparozzi、マルチ・インストゥルメンタリストのAaron Embry(ハーモニカ、ピアノ)とJordan Summers(オルガン、ウーリッツァー)、ドラマーのJosh Adamsからなるバンドの助けを借りてエレクトリック仕様で披露しました。歴史的な一夜を再現したキャット・パワーは「何百万人もの人々の意識的な思考を発達させ、世界の見方を形成するのに役立った数多くの曲を作り上げた人物に対して、私は尊敬の念を抱いていたし、今も抱いてる。だからこそ、ポケットに入れなければならないほど手が震えたけど、自分に対する尊厳を感じることもできた。あそこに立つことは、私にとって本当に名誉なことだと感じたわ」とそのステージを振り返っています。
[収録曲] 01. She Belongs To Me 02. Fourth Time Around 03. Visions Of Johanna 04. It’s All Over Now, Baby Blue 05. Desolation Row 06. Just Like A Woman 07. Mr. Tambourine Man 08. Tell Me, Momma 09. I Don’t Believe You (She Acts Like We Never Have Met) 10. Baby, Let Me Follow You Down 11. Just Like Tom Thumb’s Blues 12. Leopard-Skin Pill-Box Hat 13. One Too Many Mornings 14. Ballad Of A Thin Man 15. Like A Rolling Stone