30年以上にわたる活動を通し、唯一無二の存在感を示してきたショーン・マーシャルのソロ・ユニット“キャット・パワー”が、カヴァー・アルバム『Covers』を2022年1月14日(金)に発表します。このアルバムからフランク・オーシャンのカヴァー「Bad Religion」とポーグスのカヴァー「A Pair Of Brown Eyes」が公開中。キャット・パワーのカヴァー・アルバムは、『The Covers Record』(2000年)、『Jukebox』(2008年)に続き通算3枚目です。
『Covers』においてマーシャルは幼少期から現在までに影響を受けてきた数々の楽曲を振り返っており、それぞれの歌が彼女の私的な思い出に深く結びついています。ビリー・ ホリデイの「I'll Be Seeing You」は祖母が愛聴しており、キティ・ウェルズの「It Wasn't God Who Made Honky Tonk Angels」は10代のころにカセットテープが詰まった箱を見つけて運命的な出会いをした一曲。さらに、1986年のマイケル・ハッチェンス出演の映画『ドッグ・イン・スペース』でイギー・ポップの「Endless Sea」を聴いて震えるほど興奮したことや、貧しいアーティストとして米ニューヨークで過ごしていた20代のころにモナズ・バーのジュークボックスになけなしの金を払ってリプレイスメンツの「Here Comes a Regular」を聴いた思い出などを詰め込みました。人生でもっとも好きな曲のひとつと語るポーグスの「Pair of Brown Eyes」をレコーディングし、癌で亡くなったひとりの友人を思い出した彼女は、他者を失った悲しみから立ち直るきっかけになるようにとボブ・シーガーの「Against the Wind」を歌っています。
マーシャルは、ニコやニック・ケイヴといったロックンロールを象徴するアーティストをカヴァーするだけでなく、誰にも真似のできないパワフルなヴォーカルと洗練されたアレンジの技を現代のアーティストたちの楽曲でも発揮し、デッド・マンズ・ボーンズの「Pa Pa Power」の反骨精神やラナ・デル・レイの「A White Mustang」の幻想的な雰囲気を見事に表現。また、アルバムはフランク・オーシャンの「Bad Religion」の輝かしいカヴァーで幕を開けますが、この曲について彼女は「私は、神がいかなる名前で呼ばれようとも、その存在を信じている……。だからといって、このような宗教の名の下に人類に対して恐ろしい行為を実施した卑劣な人間たちを特別視するべきではないと思う」と語っています。