2018年に創立120周年を迎えた世界最古のクラシック音楽レーベル“ドイツ・グラモフォン”(DG)が、1986年リトアニア出身の女性指揮者ミルガ・グラジニーテ=ティーラ(Mirga Gražinytė-Tyla)と長期専属契約を締結。同レーベルにおいて女性指揮者との専属契約は初となります。
グラジニーテ=ティーラは、リトアニア国立チョルリョーニス芸術学校、グラーツ芸術大学、チューリヒ音楽院、ライプツィヒ音楽院、ボローニャ音楽院に学び、ベルン歌劇場第1楽長、ザルツブルク州立劇場音楽監督、ロサンゼルス・フィルの副指揮者を経て、現在は
サー・サイモン・ラトル(Sir Simon Rattle)や
サカリ・オラモ(Sakari Oramo)、
アンドリス・ネルソンス(Andris Nelsons)らもそのポストを務めた名門、
バーミンガム市交響楽団の音楽監督として活躍しています。
2019年5月にリリース予定のDGからの新譜は、今年で生誕100周年を迎えるポーランドの作曲家
ヴァインベルクの交響曲第21番「カディシュ」を、手兵であるバーミンガム市交響楽団に
ギドン・クレーメル(Gidon Kremer)が芸術監督を務める
クレメラータ・バルティカを迎えて演奏したアルバム。そのほか、クルメラータ・バルティカを指揮してヴァインベルクの初期の作品、交響曲第2番も収録予定です。その後は、故郷であるリトアニア出身の作曲家ラミンタ・シャルクシュニーテ(Raminta Šerkšnytė)の作品を
リトアニア国立交響楽団、
ヴィリニュス市合唱団、クレメラータ・バルティカとともに演奏していくほか、バーミンガム市交響楽団が創立100周年記念を迎えるにあたり、並行して英国人作曲家の作品を集めたアルバムの制作も予定されています。
グラジニーテ=ティーラは「ドイツ・グラモフォンは、私が音楽面で成長する時期に欠かせない存在でした。DGの傘下に入り、さまざまな作品を録音できるのは、私にとってまさに名誉なことです。ミェチスワフ・ヴァインベルクやリトアニアの作曲家として期待の星であるラミンタ・シャルクシュニーテの作品は、世界中の人びとに幅広く認められる価値があります。今回の提携によって、すばらしいバーミンガム市交響楽団と私がともに体験する音楽的冒険が記録できるようになりました。そのうえ20世紀イギリスのすぐれた音楽作品を収めたアルバムで、オーケストラの100周年を祝うこともできるのです。まさに胸が躍る出来事です。私はDGとの提携を喜んでいますし、私たちがともに体験する音楽的な発見を楽しみにしています」とコメントしています。
©Andreas Hechenberger