“架空の部族の奏でる音楽を空想する”というコンセプトの元に結成された、アルゼンチンの作曲家
エミリオ・アロ率いる五重奏団、
クラン・カイマン(Clan Caimán / 和名:カイマン族)の3rdアルバム『
Pica-Pau』が、CDとLPで9月27日(金)にエム・レコードよりリリースされます。
3rdアルバム『Pica-Pau(ピカパウ)』(キツツキ)は、これまでで最も抽象的でミニマルですが、その象徴的なアルバム名が示唆しているように、リズムとテクスチャーに焦点をあてた暖かく催眠的な作品。有機的な室内部族音楽に現代エレクトロニクス技術を持ち込み、初のヴォーカル曲も導入されるなど、おなじみの催眠中毒度も最強となっています。
エム・レコードからリリースした前作『カイマン族』(2018)や『
アソマ』(2021)と同じく、本作はアロの自作調律打楽器であるカリンバフォン(親指ピアノを改造した創作楽器)がアンサンブルの支柱。エスノ感の強いカリンバフォンのパターンが、リバーブのかかったラップ・スティールとギターの波の間を縫うように流れ、ベースの下降音とシンバル抜きのパーカッションによって、時を超えた大河のように、否応なく前へと流れていくような音楽に仕上げています。
作曲では大半を嬰ヘ短調とホ短調で統一し、都会の閉鎖的なトレンド環境から離れ、生命に囲まれた深い夜の世界に浸っているような感覚を与えています。また、本作では最後の曲「Tulipán Song」 (Tulip Song)にて、初のヴォーカル曲も披露。これはオープニング・トラックのヴォーカル・ヴァージョンで、アロが考案した言語で歌われています。