ECMならではのリリシズムとメランコリーの流れを汲むスイス人ピアニスト、
コリン・ヴァロン(Colin Vallon)が7年ぶりのトリオ・アルバム『サマレス』を12月4日(水)に発表します。
マンフレート・アイヒャーのプロデュースにより、2023年6月から8月にかけてスイス・ルガーノのオーディトリオ・ステリオ・モロで録音。アルバムからの先行トラック「Mars」が公開されています。
「ラシーン」(根)、「ロンス」(荊またはブラックベリー)、「ブリン」(小枝または草の葉)、「サマレス」……コリン・ヴァロンの新しいトリオ・アルバムの結合概念は、構成される曲とタイトルに明確に綴られています。フランス語の「サマレス(Samares)」は、サマラという実のこと。見た目は種と葉の中間のような形をしており、翼のような形をしています。このイメージは、このトリオ・アルバムを通して展開される瞑想的な音世界にこれ以上ないほどふさわしいものです。今回もコントラバス奏者の
パトリス・モレとドラムスの
ジュリアン・サルトリウスを従え、ヴァロンは、自然(とくに植物)からのインスピレーションを有機的なグルーヴとテレパシーのような相互作用で映し出すプログラムを展開しています。
ヴァロンは新作について「私たちのトリオの発展は、個々の演奏に焦点を当てるのではなく、常に集団としてのサウンドを見つけることにあったと思う。私たちは、テクスチャーとブレンドへの愛を共有している。ジュリアンは独特の雰囲気を作り出す達人であり、それぞれの音楽作品に強い空間感覚を持っている。彼のサウンド・パレットはドラムの枠を超え、極めて独創的だ。そしてパトリスのサポート的な演奏だけでなく、音楽のオーケストレーションの仕方や、曲を形作る上での彼の創造的なアイデアは、私たち集団のアイデンティティにとって不可欠な要素です。“Samares"という名前は、カエデの種のように、すべてのプロセスにおいて私を導いてくれた。そして、この種が風に舞う姿を想像すれば、とてもぴったりだと思う。『Danse』『Le Vent』は、過去2枚のトリオ・アルバムのタイトルである。そして、このレコーディングと前2作の間には多くの相違点があることは間違いないが、それにもかかわらず、それらは密接に関連しており、3部作を形成している」とコメントしています。
©Nicolas Masson/ECM Records