世界的指揮者 / ピアニストの
ダニエル・バレンボイム(Daniel Barenboim)が、世界最古のクラシック・レーベル、ドイツ・グラモフォンと新たな独占契約を3月8日に締結。“ピアニスト / 指揮者としてのバレンボイム”“室内楽奏者としてのバレンボイム”“教育者 / 革新者としてのバレンボイム”という3つの録音シリーズが制作され、録音は主にバレンボイムが深く関わるベルリンの新設ホール“ブーレーズ・ザール”で行なわれる予定です。
“教育者、革新者としてのバレンボイム”は、ソーシャル・メディアやYouTube、教育的テレビ放送なども活用しながら、バレンボイム自身のレーベル「ペラル・ミュージック」からデジタルのみでリリースされる予定。なお同レーベルからは、バレンボイムが昨年3月のブーレーズ・ザールのこけら落としコンサートで演奏した、
ブーレーズの3台のピアノ、3台のハープ、3人の打楽器奏者のための「シュル・アンシーズ」のライヴ録音が2018年3月2日(金)にリリースされています。
7月には“サマータイム・ウィズ・バレンボイム”キャンペーンの幕開けとして、バレンボイム指揮
シュターツカペレ・ベルリンによる
ブラームスの4つの交響曲の録音と、息子マイケル・バレンボイム(Michael Barenboim)、キアン・ソルターニ(Kian Soltani)、ユリア・デイネカ(Yulia Deyneka)と録音した
モーツァルトの2曲のピアノ四重奏曲の発売を予定。今後の録音プロジェクトとしてはソルターニ&シュターツカペレ・ベルリンとの
ドヴォルザークのチェロ協奏曲や、
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団との
スメタナの『わが祖国』などに加え、2020年の
ベートーヴェン生誕250年を
アンネ=ゾフィー・ムター(Anne-Sophie Mutter)、
ヨーヨー・マ(Yo-Yo Ma)らと祝うリリースも計画されています。
バレンボイムは「私はこのドイツ・グラモフォンとの独占契約を歓迎します。私たちがあらゆるレベルにおいて――情緒的、感覚的、精神的、知的――音楽を探求し、このことが私たちに活力を与えることができる理解と洞察に心を開く時に何が起こるかを示したいと思っています。音楽は、人間であることの意味すること、分裂をどのように克服できるのか、合理的と非合理的、論理的と直感的がどのように調和できるのかについて私たちに多くのことを教えてくれます」と語っています。
©Paul Schirnhofer / DG