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『DUM SPIRO SPERO』を引っさげ行なわれていた
DIR EN GREYの国内ツアー<TOUR2011 AGE QUOD AGIS>が、11月7日(月)、8日(火)の新木場STUDIO COAST/2DAYS公演でフィナーレを迎えました! 興奮のその模様をお届けします!
【DIR EN GREY<TOUR2011 AGE QUOD AGIS>】
〜11月7日(月)@新木場スタジオコースト オフィシャル・レポート〜 アルバム『DUM SPIRO SPERO』を8月にリリースした後、欧州ツアー<PARADOX OF RETALIATION>を経て、国内ツアー<TOUR2011 AGE QUOD AGIS>を敢行していたDIR EN GREY。そのファイナルとなる、新木場スタジオコーストの2Days初日に足を運んだ。
2階までオーディエンスでびっしり埋め尽くされた会場。客電が落ちると、真っ赤に染まるLEDスクリーンと、熱狂して挙がる手が重なって見えた。その光景は、早くも“事件”と呼びたくなるほどカオティックでエモーショナルだった。そして、1曲目の「流転の塔」から、あっという間に全てを飲み込んでいく。まず、巨大なLEDスクリーンに、楽曲とシンクロした映像が、時に包み込むように、時に襲いかかるように流れてきて圧倒された。しかし、映像ばかりが気になるような状況にはならなかった。「ライヴで演奏されたらどうなるんだろう?」という謎と期待をいつも以上に呼んだ『DUM SPIRO SPERO』の楽曲群が、汗も血も滴るモンスターへと進化していたから。さらに、そこに呆然としていようものならば、京の容赦ない煽りや、どんな楽曲でも見事に揃うオーディエンスのシンガロングで、ライヴハウスに引き戻された。また、京の呪術的な所作に目を奪われる場面も多々あった。暫く動きと叫びだけで惹き付けるような曲間もあり、歌以外でも表現し尽くそうとしている思いを感じた。そうやって、“ヴィジュアル”、“サウンド”、“アート”、“メッセージ”、“ライヴ”など、何層にも重なった魅力が畳み掛けてきて、息つく時間も殆どなかった。
終盤になると、それらの魅力が、バンドとオーディエンスの一体感によって溶け合い、一つ一つを冷静に見られない“気”みたいなものが心身に満ちていく。イントロで京がしなやかに跳んだことが、躍動する会場を象徴しているように感じられた「DIFFERENT SENSE」で本編は終了。アンコールでもその勢いは増すばかり。京が何度も投げ掛けた「もっと行けるか?」という言葉からは、彼らがこれだけ破格のパフォーマンスを見せていても、誰も置いていかないと思っていることがわかった。最後「冷血なりせば」と「羅刹国」では、バンドも思うがままに暴れきる。演奏を終えても、5人とも名残惜しそうにステージに残っていた。京は耳を指して胸を叩き、手を数回叩きステージを降りた。
様々な角度から圧倒的なライヴだったと思うけれど、『DUM SPIRO SPERO』の世界観も関わって、いつも以上に彼らの人間臭さが如実に表れていたような気がしてならない。しかし、<AGE QUOD AGIS>はまだ終わらない。11月23日からは南米ツアー、そして、そのまま北米ツアーへと雪崩れ込むのだ。国内でも年明けの1月22日に、<UROBOROS -that's where the truth is->と題された大阪城ホール公演が予定されている。1月11日に『UROBOROS [Remastered & Expanded]』と、
『UROBOROS -with the proof in the name of living...- AT NIPPON BUDOKAN[Blu-ray] Extended Cut』という、傑作
『UROBOROS』をさらに強化したアイテムがリリースされてから行なわれるこのライヴ。<TOUR2011 AGE QUOD AGIS>とは違う世界観を見せてくれることは間違いないだろう。常に、「こうきたか!?」と驚かせながら、様々なことに気付かせてくれるDIR EN GREYの動向には、やはりツアーが終わっても目が離せそうにない。(text:高橋美穂)