ポスト・ロックの始祖
トータス のダグ・マッコームズが、フル・ネームの
ダグラス・アンドリュー・マッコームズ (Douglas Andrew McCombs)名義にて、キャリア初となるソロ・アルバム『
VMAK〈KOMBZ〈〈〈DUGLAS〈〈6NDR7〈〈〈 』を10月21日(金)にリリース。発売に先駆けて、アルバムより「Green Crown's Step(グリーン・クラウンズ・ステップ)」が10月4日(火)0時より先行配信が開始されています。
1987年に
イレヴンス・ドリーム・デイ のメンバー(ベーシスト)としてレコード・デビューしてから約35年、
ジェフ・パーカー と並びトータスの創立メンバーであるダグ・マッコームズ。トータスのトレードマークの一つでもある、巨匠
エンニオ・モリコーネ や
テレヴィジョン の
トム・ヴァーレイン にも通ずる、ハードボイルドさや哀愁を感じさせるメロディラインのコンポーザーとして、トータスのメロディの要を務めています。
今回のソロ作は、今年レコード・デビュー25周年を迎えた自身のリーダー・ユニット“
ブロークバック ” に変わり、新たに提示したプレゼンテーション。これまでもブロークバックの作品にも参加してきた
キャレキシコ の
ジョン・コンヴァーティノ (ds)をはじめ、今やダグがツアー・サポートを務めている
ザ・シー・アンド・ケイク のフロント・マンの
サム・プレコップ (モジュラー・シーケンス)、ブロークバックの近作やライヴのほか、トータス『TNT』の再演ライヴ(2020年の来日公演)にも参加していた元
ザ・ジンクス のフロント・マンであり、ソロ・アーティストとしても活躍するジェームズ・エルキントン(ds,perc)がゲスト参加。エルキントンは、本アルバムの録音とミックスも担当しています。
10分以上の長尺曲2曲と今回先行配信される「Green Crown's Step」の3曲のインスト曲を収録(※日本盤はボーナストラックを追加した4曲入り)した本作は、トータスやブロークバックをはじめとしたダグの活動の集大成。おなじみのBass VI(6弦ベース)によるサウンドだけでなく、エレクトリック&アコースティック・ギターの可能性を拡張することで独自の音楽性を先鋭化し、持ち前のメロディを更に活かすために、音の質感を探求し、音響空間にも配慮した逸品です。近年、ブロークバックがバンド編成でのロック・サウンドに傾倒していることもあり、それと比較すると、ある意味、初期のブロークバックに戻ったかのような実験的な印象もあり、メロディアスながらも非常に刺激的なサウンドが詰まっています。
アルバム・タイトルはダグが東欧を旅した際のパスポートをスキャンしたものに由来。正式な読み方は存在せず、リリース元の米シカゴの老舗レーベル「スリル・ジョッキー」では略して『V MAK』(ヴィー・マック)と呼んでいるとのこと。また、このアルバムはスリル・ジョッキー設立30周年記念作品でもあり、スリル・ジョッキーではフィジカル・リリースとしては限定CDのみの発売となりますが、日本盤は超限定にはせず、アルバムと同時期に制作された楽曲をボーナス・トラックとして追加収録してリリースされます。加えて、ブロークバックと共演経験があり、ダグ本人とも親しい
アキツユコ による推薦コメント、『TURN』編集長の
岡村詩野 、スウィート・ドリームス・プレスの福田教雄によるライナーノーツも掲載。
トータスのメロディアスな楽曲やブロークバックの初期のサウンドが好きな人にはもちろんのこと、初心者にも優しく、刺激的で美しい、遅れてきた大型新人によるインスト楽曲集に、期待がふくらみます。
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