本作は、「エチオピア教会音楽」へのアプローチを探求した作品。彼女が録音した作品の中でも特に印象的な一曲であり、澄んだピアノの音色が古い石造りの壁に反響する「Ave Maria」、親しみ深い旋律がハルモニウムを通じて新たな響きを表現した「Spring Ode – Meskerem」に加え、彼女のヨーロッパ古典音楽の訓練と長年にわたるエチオピア宗教音楽の研究が融合した、壮大なオルガン演奏2曲も収録。2曲ともに1963年に自主制作したアルバム『Der Sang Des Meeres』に収録されており、なかでも「Essay on Mahlet」では、エチオピア正教の典礼における自由詩の精神を一音一音ピアノで表現し、独自の感性との融合が最も際立っています。
[収録曲] 1. Ave Maria 2. Spring Ode ‒ Meskerem 3. The Storm 4. Essay on Mahlet, The Prayer of Saint Yared 5. Via Dolorosa, XIth Station of the Cross 6. Prayer for Peace. Ps. 122 (Kyrie Eleis)