ファティ・アキン 2020/03/03掲載(Last Update:20/03/09 11:33)
〈第69回ベルリン国際映画祭〉のコンペティション部門に出品された映画「屋根裏の殺人鬼フリッツ・ホンカ」が、2月14日より東京・ヒューマントラストシネマ有楽町、東京・新宿武蔵野館ほかにて全国順次公開されています。
本作は、1970年代ドイツに実在した連続殺人鬼の物語。監督を務めるのは、30代のうちに“世界三大国際映画祭”のすべてで主要賞受賞の快挙を成し遂げ、前作『
女は二度決断する』(2017年)では〈第75回ゴールデングローブ賞〉外国語映画賞、〈第70回カンヌ国際映画祭〉主演女優賞(
ダイアン・クルーガー)を受賞したドイツの名匠
ファティ・アキンです。
70年代を舞台にした本作では、主人公フリッツ・ホンカが部屋で流すレコードや、行きつけのバー、ゴールデン・グローブのジュークボックスで数々のジャーマン・ポップスが流れます。それらの音楽にも魅了されますが、実はF.M.アインハイトが手掛けた映画音楽はいわゆる「劇伴」的な「感情を高める音楽」ではなく、バッキバキのインダストリアル・ミュージック。映画を観ている最中は「ダクトの音かな?」と思うような、フリッツ・ホンカの部屋の音も、実はF.M.アインハイトのつけた音楽です。
これまでの作品でも、使用楽曲も、映画の劇伴もこだわり抜いてきたファティ・アキン監督。本作では元ノイバウテンのF.M.アインハイトが音楽を担当していますが、ノイバウテンとファティ・アキン監督のつながりはこれが初めてではありません。80年に弱冠15歳にしてノイバウテンに参加したベーシスト、アレキサンダー・ハッケは『
愛より強く』(2004年)と『
消えた声が、その名を呼ぶ』(2014年)で映画音楽を担当しています。
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