シンガー・ソングライターの
藤田麻衣子が、3月22日、東京EX THEATER ROPPONGIでコンサート〈藤田麻衣子Special Live2025 〜片想い & 19th Anniversary Best〜〉を開催。ピアノに
山本清香、ヴァイオリンに
沖増菜摘、チェロに
島津由美を迎えた編成で、女性向け恋愛ゲーム『イケメンヴィラン 闇夜にひらく悪の恋』の主題歌「漆黒」をはじめ、自身が手掛けたゲーム・ソングの数々から、テイチク移籍第一弾フル・アルバムとなる最新作『
片想い』の楽曲などを披露しました。
なお、藤田麻衣子は、5月2日(金)東京・浜離宮朝日ホール公演を皮切りに、全国を巡る〈藤田麻衣子 20th Anniversary 47都道府県 弾き語りツアー〉を開催します。詳細は、藤田麻衣子のオフィシャル・サイトをご確認ください。
[ライヴ・レポート] コンサートは、ボーカル:藤田麻衣子、ピアノ:山本清香、バイオリン:沖増菜摘、チェロ:島津由美で編成。ピアノ、バイオリン、チェロが折り重なるようにイントロが流れると「素敵なことがあなたを待っている」でスタート。メジャーキーの温かみのある世界観に藤田麻衣子のボーカルが加わると光に包まれるように、会場が一気に前向きな空間に包まれていった。そして女性向け恋愛ゲーム「イケメンヴィラン 闇夜にひらく悪の恋」主題歌「漆黒」を披露。ゲームストーリーにインスピレーションを受けて制作されたこの楽曲は、歯止めをかけながらも走り出してしまう恋の気持ちを藤田麻衣子独自の世界観で表現し、アンサーソングとして書いた『イケメンヴィラン』2周年記念ソング「純白」へ。「漆黒」とは異なる目線で“今夜君は僕に堕ちる”と歌う歌詞と共に、純白を闇色に支配していくように主人公の心模様を描いていく。その胸の内と共感するかのように演奏が終わると大きな拍手が湧き起こった。メドレーコーナーでは「運命の人」「君が手を伸ばす先に」「宝物」と、主人公の苦しくも揺れ動いていく心情や、かけがえのない大切な人を想う感情を表現していくと、楽曲のそれぞれの主人公と呼応するかのように観客は静かに魅了されていった。前半ラストはジューンブライドをテーマに書いた「手紙〜愛するあなたへ〜」を披露し両親への感謝の気持ちを綴った歌詞に想いをのせて感動の拍手のなか終了した。
後半は最新アルバム「片想い」の楽曲を中心に構成。アイドルマスター シンデレラガールズの白菊ほたる(CV:天野聡美)に楽曲提供したセルフカバーDarknessから始まる。「絶望の歌を書いてください」という依頼のもと手がけた楽曲は、答えの出ない思いの歌詞とともに聴く者の胸に深く潜んでいく。続いては『イケメン戦国』十周年テーマソング「endless」、ピアノ、バイオリン、チェロの編成のライブバージョンで披露し、疾走感のある重厚なサウンドと艶やかな藤田麻衣子の歌声と共に、ライブではより一層アグレッシブで、恋と愛の感情が降り注ぐ楽曲として表現された。続いて「防御して」ではサビの振付と共に会場も楽しい雰囲気の一体感に包まれ、藤田麻衣子の幅広いソングライティングで制作された楽曲が持つそれぞれ独自の世界観を構築していった。終盤で披露された「振り向いて」はライブでファンの方々から歌って欲しいテーマや言葉を募り、その場で即興的に仕上げた楽曲。恋愛をテーマにした藤田麻衣子作品の中心に来る切ない楽曲で、ファンと共に作り上げた思い入れの深い一曲がライブで披露となり、表現力豊かなボーカルに加え、ピアノ、バイオリン、チェロそれぞれの音像が呼吸するように楽曲の情景を描き出し、オーディエンスの心を深く惹きつけていった。藤田麻衣子は「皆さん夢はありますか。大きな夢じゃなくても、自分が本当にやりたいと思っていること、本当に欲しいものに手を伸ばしてほしいな、と思います。私の次の目標は、来年20周年に再びオーケストラコンサートを行うことです、そして夢はいつか東京、名古屋、大阪でオーケストラコンサートを開催したいです」と語り、ラストに「夢を叶える方法」をお送りし、新たな夢へ向かっていく藤田麻衣子の決意と想いを届けてコンサートを締め括った。
「今日は皆さんに来てもらえて本当に嬉しいです。昔から一緒に演奏してくれるメンバー、彼女たちとの音楽こそが私にとって宝物です。夢があるから出会いがあってこうして絆ができたんだなと思うと、ゴールすることだけが全てじゃなくその過程に大事なことがいっぱいあってそれに気づいていくことが大事なんじゃないかなと思います。今日のライブを一緒に作ってくれて、そして盛り上げてくださった会場の皆さん本当にありがとうございました」と感謝の想いを語った。
今後、藤田麻衣子は5月から47都道府県をまわる弾き語りツアーを予定している。公演日程は随時更新されていくので是非ホームページをチェックしよう。
撮影:宮家和也