2021年12月の
反田恭平×
小林愛実でスタートした、東京芸術劇場のリサイタル・シリーズ「VS」。2人の異なる個性を持つピアニストが「ピアノ・デュオ(2台のピアノ)演奏」でそれぞれの表現力や感性 / 技術をぶつけることで、ライヴでしか味わえない熱狂的な空間を創造するこのシリーズの第6回が、2023年2月20日(月)に同劇場コンサートホールで開催されます。出演は
藤田真央と
務川慧悟。
藤田は2019年のチャイコフスキー国際コンクールで第2位を獲得。世界の主要オーケストラ / 音楽祭から引く手あまたで、ソニークラシカル専属第1弾の『
モーツァルト:ピアノ・ソナタ全集』を10月5日(水)に発表します。藤田のリクエストにより共演する務川は、2021年にエリザベート王妃国際音楽コンクールで第3位を受賞。国内外で活躍中です。
ふたりが本公演で取り組むのは、3つの舞曲「ドヴォルザーク:スラブ舞曲集 作品46」、「ラヴェル:ラ・ヴァルス」、「ラフマニノフ:交響的舞曲」。オーケストラ曲としても著名なこれらの作品を、注目の若手ピアニスト2人が2台のピアノでどう表現していくのか貴重な機会をお見逃しなく。
[コメント]務川慧悟さんと以前お話した際、彼と私の音楽の作り方がぴったり一緒なことに気が付きました。シンパシーや共鳴を感じつつも、しかし同時に彼は私とは異なる哲学や音楽観を持っている、尊敬すべきピアニストだということが彼の言葉からわかりました。そのような経緯でこの企画のお誘いを頂いた際、務川さんとだったら是非、とお話ししました。もちろん、VSというタイトルはバトルや衝突を彷彿とさせます。それでも2人のピアニストが2台のピアノを使って、ひとつの音楽を創造するというこれ以上ない調和を、いずれも管弦楽版が存在する作品を揃えた今回のプログラムを通して感じて頂けるのではないでしょうか。私自身、二人の“共闘”を心待ちにしております。――藤田真央藤田真央くんと遂に初めてバトルを……もとい、共演を、する機会がやってきました。僕よりも随分若い彼ですが、もう何年も前から――彼が現在のように一躍有名になるよりも以前から――実はそれはそれは一目置いていた存在であり、初めて彼の才能を目にして驚愕した時以来、彼のピアニストとしての活動を追い続けてきました。ですから今回の初共演を、本当に嬉しく思っています。プログラムは、3人の作曲家による舞曲で構成されています。ドヴォルザークの田舎的な小さな舞曲から、ラフマニノフの巨大でまさに“バトル”のような空気感までを、この素晴らしい東京芸術劇場にて味わって頂けたらと思います。――務川慧悟