新作
『オアシス』を引っさげ、
ハナレグミが9月10日(土)、11日(日)の2DAYSに渡り、代々木第2体育館でワンマン・ライヴ<オアシス YOYOGI DE 360°ステージ囲みまくって熱唱しまくっちゃナイト>を開催しました。今回、CDジャーナルWebでは、11日公演の模様をレポート!
ハナレグミ
【オアシス《YOYOGI DE 360°ステージ囲みまくって熱唱しまくっちゃいナイト》】
〜9月11日(日)公演 オフィシャル・レポート〜 約2年3ヵ月ぶりとなるニュー・アルバム『オアシス』をリリースしたばかりのハナレグミが、9月11日に代々木第2体育館で<オアシス YOYOGI DE 360°ステージ囲みまくって熱唱しまくっちゃナイト>を開催した。同会場でのワンマン・ライヴ2dsysは4年前に続き、2回目。観客に360度囲まれた、会場の真ん中に設置された舞台の上には、「OASIS 360」という文字をかたどったオブジェが置かれており、本人曰く「町内会の秋祭りみたい」に飾られた電飾のおかげで、どこか野外ライブのような趣を感じさせるステージとなっていた。
開演の予定時間より10分遅れで、
おおはた雄一(g)、
東京スカパラダイスオーケストラより沖 裕市(key)、鹿島達也(b)、
SOIL &“PIMP”SESSIONよりみどりん(ds)、
SLY MONGOOSEよりKUNI(tp)、ヤマカミヒトミ(sax)ら6人のバンド・メンバーが舞台に上がった。彼らが新作のタイトル曲である「オアシス」のイントロを奏ではじめると、永積 崇が両手を広げて、スキップしながら登場。「オアシスがここにあったよ?」と叫ぶと、約3,000人の観客が大歓声で応え、1曲目から<まわれ、まわれ>の大合唱が巻き起こった。続けて、アルバム収録のレゲエ・ナンバー「Crazy Love」を歌ったあとで、「どうも、タカシです。よくお越し下さいました。こんな天気のいい日に最高ですね」と呼びかけ、すぐさま「大安」を歌いはじめる。「賑やかでいいね、今日は」と笑顔で語りながら歌った「レター」は、歌詞を<代々木第2体育館を目指す>と変えて熱唱。観客はオープニングから「あいまいにあまい愛のまにまに」まで総立ちで、それぞれが自由に歌い、踊り、くるくると回る、文字通り「賑やか」でハッピーなバイブレーションにあふれた空間を作っていた。
バンド・メンバーが、ステージの後方に設けられたサロン・スペースに移動し、弾き語りコーナーに突入。
カーティス・メイフィールドの名曲「PEOPLE GET READY」をエレキ・ギターで弾き語り、おおはた雄一とふたりで向き合って「きみはぼくのともだち」を歌った。マラカスやギロ、シェイカーなどを手にしたバンド・メンバーが永積の周りに集まり、360度囲んだ状態で「マドベーゼ」を歌い、
オハナの「ヒライテル」では、フルートとミュート・トランペットが伴奏をつとめた。続く「SPARK」の演奏中に、ドーンという強い縦揺れを感じた。
突然の地震に会場はざわめきをみせたが、永積はそのまま演奏を続け、再びバンド・セットに戻って歌われた「光と影」の歌い出しで、会場内の空気を一気に引き戻した。<♪だれでもない / どこにもないぜ / 僕だけの光と影 / 闇の向こうの光を見に行こう / 光と影>というフレーズの揺るぎのない力強さは、この日、同じ会場に集まった観客の全員の心に残っているだろう。
続いて、「音タイム」のイントロのフレーズが流れた瞬間に観客は大きな声をあげて、会場中はまた総立ちとなった。観客のクラップがグルーブを引っ張る「……がしかしの女」から、<わっしゃっしゃ>という笑い声のコール&レスポンスが巻き起こった「明日天気になれ」、バンド・メンバーも含めた<ナーナナーナ>の大合唱を誘った「オハナレゲエ」と会場の熱気は一気にヒートアップ。最後に、再び新作から、揺れるままに歌う覚悟を綴った「ちきしょー」を全力で歌い上げ、本編は終了した。
アンコールでは、沖とふたりで登場し、「沖さんとふたりでやるのが夢でした!」という紹介のあとで、ふたりで「愛にメロディ」を演奏。ここで、震災から半年、アメリカ同時多発テロから10年目であることに触れ、「6ヵ月前はライヴができるかどうかも考えられなかった。たまたま大きな節目の日にライヴができることをありがたく思ってます」と語ったあとで、希望の光に満ち満ちた「あいのわ」を歌った。さらにダブルアンコールでは、弾き語りで「あいのこども」を歌い、「こんなに全てを使い切ってやったのは初めてかもしれません。全部なくなりそうだけど、まだ沸き上がるものがあるね。またみなさんで集まりましょう」と再会の約束をして、約2時間半におよんだライヴの幕を閉じた。
ハナレグミは今後、<弾きが旅だよ人生は!>の関西ツアーに出たあと、11月には東京と大阪で<live house live>を開催。そして、来年1月からはアルバム『オアシス』を引っさげた全国ツアー<TOUR オアシス>を予定している。(文・永堀アツオ、写真・菊池サトシ)