第75回カンヌ国際映画祭で最高賞パルムドールを受賞した『逆転のトライアングル』が、2023年2月23日(木・祝)より東京・TOHOシネマズ 日比谷他にて全国ロードショー。この度、ポスターと予告編が公開されています。
『
フレンチアルプスで起きたこと』で第67回カンヌ国際映画祭ある視点部門審査員賞を、『
ザ・スクエア 思いやりの聖域』で第70回カンヌ国際映画祭最高賞であるパルムドールを受賞し、本作でカンヌ史上3人目の2作品連続パルムドール受賞という圧倒的快挙を果たした
リューベン・オストルンド監督。驚くべき人間観察眼とセンス抜群のブラックユーモアで、毎度観客を絶妙に気まずい気分にさせてくれるスウェーデンの鬼才が選んだ次なる標的は、“ファッション業界とルッキズム、そして現代階級社会”。そしてもちろん、問題を痛烈に炙り出す手腕は今作でも絶好調。私たちの価値観を見事にひっくり返す、世紀の大逆転エンタメがここに誕生しました。
主演は『
キングスマン:ファースト・エージェント』の
ハリス・ディキンソンと、残念ながら本作が遺作となってしまったモデル出身のチャールビ・ディーン。フィリピンのベテラン女優ドリー・デ・レオンや名優
ウディ・ハレルソンらも参加し、弱肉強食のサバイバル劇が繰り広げられます。
ポスターは、セレブを乗せた豪華客船が傾きながら炎上し、彼らを襲う災難を予期させるデザインとなっています。「狂った時代を、笑い飛ばせ。」のキャッチコピーは、時代の闇をユーモアをもって斬りまくるオストルンド監督らしい一言。キラキラ輝くゴールドの液体が散りばめられている意味は、映画を観た後のお楽しみに。
男性ファッションモデルの主人公カール(ハリス・ディキンソン)が高級ブランドと庶民派ブランドを演じ分けるシーンから始まる予告編は、冒頭から“オストルンド節”がさく裂。カールは、恋人で人気インフルエンサーのヤヤ(チャールビ・ディーン)と豪華客船の旅に出るものの、そこはロシアの大富豪、英国の武器商人、アル中の船長(ウディ・ハレルソン)、高額チップのためならどんな観客の望みでも叶える客室乗務員など、クセモノの巣窟でした。さらにある夜、嵐に巻き込まれ船が難破。そのまま海賊に襲われ、彼らは無人島に流れ着きます。水も食べ物もSNSもない極限世界でのサバイバル生活が始まりますが、そこでヒエラルキーというピラミッドの頂点に君臨したのは、サバイバル能力抜群な船のトイレ清掃婦アビゲイル(ドリー・デ・レオン)でした――。
世界三大映画祭の中でもゴージャスでエレガントで世界中のセレブが集まるカンヌ映画祭で上映され、そのスクリーン上で繰り広げられる想像をはるかに超えた“地獄絵図”っぷりに場内爆笑。そのまま最高賞パルムドールを受賞し、“異色のパルムドール作品”と囁かれる本作。大逆転してしまった世界に翻弄される登場人物たちの混乱、混沌、そして残酷なまでに晒される人間の本性が描かれる中、果たして私たちはこの転覆劇を笑い飛ばすことができるのでしょうか――。
Fredrik Wenzel © Plattform Produktion