桜木紫乃の代表作を実写映画化した「ホテルローヤル」が、11月13日(金)より東京・TOHOシネマズ 日比谷ほかにて全国ロードショー。公開に先駆け、場面写真が公開されています。
原作は2013年に〈第149回直木賞〉を受賞し、累計発行部数85万部(電子書籍を含む)を超える桜木紫乃の代表作。北海道の湿原に立つラブホテルを舞台に、現在から過去へ時間軸を遡り、ホテルの盛衰とそこを訪れる人々の生と性を、切なくも瑞々しいタッチで描いた七編からなる連作小説で、映画では、原作の持つ静謐な魅力をそのままに、閉塞感のある日常を離れ、ホテルローヤルの扉をひらく男と女、問題を抱える経営者家族・従業員のそれぞれの人生模様をホテルの経営者家族の一人娘・雅代を主軸として繊細に綴られます。監督は、『
百円の恋』で〈日本アカデミー賞〉をはじめ国内外の各映画賞を総なめにした
武 正晴が務めます。
今回公開されているのは、湿原を背に建つ北国のラブホテル「ホテルローヤル」を取り巻く、個性豊かなキャラクターたちの場面写真。特に印象的なのが、家業のラブホテルを継ぎ女将として働く雅代演じる
波瑠がボイラー室で従業員と休憩している姿。同じオレンジのエプロンをした従業員役の
余貴美子、
原扶貴子と並んで、喚起口から漏れ聞こえてくる客室の声に耳をそばだてる様子が切り取られ、ラブホテルの“日常”が描かれます。そのほか、スーツを着た
松山ケンイチはアダルトグッズ会社の営業担当として、「ホテルローヤル」を訪れ、グッズの説明などセールストークをしているところ。また、波瑠の父親役を演じた
安田 顕は「ホテルローヤル」で起きたある事件を嗅ぎつけたマスコミに囲まれ、彼らを追い返すべく激しい剣幕をみせています。そして、ホテルを訪れる客として、高校教師とその生徒を演じた
岡山天音と
伊藤沙莉はホテルの一室で何やら意味深な会話をしている様子。それぞれに人には言えない悩みや孤独を抱え、ラブホテルで働く人、そしてそこを訪れてくる客。「ホテルローヤル」を中心に繰り広げられる様々な人間模様が垣間見えるシーンが切り取られています。
©桜木紫乃/集英社 ©2020映画「ホテルローヤル」製作委員会