美しくも厳しい自然の情景と、旬の素材を使った料理“生きるために食べ、食べるために作る”という、全てがひとつながりになった暮らしを描いた映画『リトル・フォレスト』。2月14日(土)に“冬・春”編の全国公開を控え、最速上映会をロケ地となった岩手県「フォーラム盛岡」で開催しました。この日は撮影中にお世話になったという地元の方々も多数来場されたことから、感謝の意を込めて、主演をつとめた
橋本 愛と森 淳一監督が現地入りし、上映前に舞台挨拶も行なわれました。
また、明くる日には、実際に撮影を行なった岩手県奥州市衣川区を撮影終了から1年ぶりに訪れ、橋本が植えたもち米で、もちつき。映画にも登場する岩手の郷土料理“ひっつみ”や、納豆もちなどを作るなど、地元の方々との交流を楽しんだとのこと。
舞台挨拶では冒頭、橋本が「みなさん、夕飯は済ませてますか? 映画を見るとお腹がすきますよ」と挨拶。「岩手県にはご縁があって『リトル・フォレスト』含め、三度来ています。遠野、久慈、そして奥州市ですが、それぞれの地域ごとの特色があって豊かだと思いました。そして岩手は広い! 大きい! 『あまちゃん』の撮影後に『リトル・フォレスト』の現場へ移動した時があって、久慈から奥州市衣川区へ車で移動した時に、同じ県内なのに3時間かかり、風景も海から山へ変わってビックリしました」と、撮影を振り返りました。
「映画の中で美味しかった岩手の郷土料理は?」という質問には、「私の故郷の熊本の郷土料理で“だご汁”という料理があって子供の頃から大好物だったのですが、岩手の郷土料理“ひっつみ”を食べた時、すごく似ていて懐かしさを感じると同時に美味しさにあらためて感動しました」。また「あと“がんづき”ですね。映画の最後に郷土の伝統舞踊である神楽を踊っていますが、その練習のため1ヵ月間、毎週一関市に通いました。その時に毎回大森神楽保存会のお母様が作って食べさせて頂いたのが、がんづきです。とても体力を消耗する踊りだったので、お母様たち手作りのがんづきでパワーを頂いてました」とか。岩手県の公式キャラクター「わんこきょうだい」の「そばっち」が花束を贈呈するなど、終始和やかなイベントとなりました。
翌日は、『リトル・フォレスト』の撮影を行なった奥州市衣川区大森地区を撮影終了から1年ぶりに訪問。お世話になった地元の方々と再会を果たし、映画の中で主人公“いち子”を演じた橋本が実際に植えたもち米を使って、一緒にもちつき。「愛ちゃんの作ったもち米だよ」と地元のお母さんに言われると、「えー! だったら絶対もちつきしたい!」とのこと。「杵は5kgくらいあるが大丈夫か?」と聞かれると「私、結構力仕事は得意です!」と自信満々に答えていましたが、5回くらいついたところで「限界……」とギブアップ。それでも、「(映画の中で披露した)薪割り同様、もちつきも大変上手」と絶賛。
岩手県の郷土料理で、小麦粉を使った汁物“ひっつみ”作りでは、「団子の丸め方、難しいんですよ、コツを忘れちゃった」と、地元のお母さんに教わりながら作業しましたが、出来上がった汁に入っている不格好な団子を見て「これ、私が作ったやつだ」と苦笑いしてしまう場面も。出来上がった納豆もちを食べながら、「もちはつきたてが柔らかくて一番美味しい」と平らげ、地元のお母さん方からは「娘が帰ってきたみたいで嬉しい」と声をかけられると、橋本は終始笑顔で交流を楽しんでいました。
(C)「リトル・フォレスト」製作委員会