Healer Girls 2021/12/07掲載(Last Update:22/03/04 17:57)
若手女性声優の
礒部花凜、
熊田茜音、
堀内まり菜、
吉武千颯によるコーラス・ユニット、
ヒーラーガールズが、12月5日に東京・浜離宮朝日ホールにて〈Healer Girls 2nd Live “Feel You, Heal You”〉を開催。
今回開催した2ndライヴは、ヒーラーガールズが準レギュラー出演している『Anison Days』のMCでもある
酒井ミキオがバンドマスター&ピアノを務めるアコースティック・バンドと共に、これまで発表してきた多くのアニソン・カヴァーや未発表曲を歌う、心温まる癒やしのステージとなりました。制作が決定していたTVアニメの放送時期の発表などもあった公演の模様をレポートします。
[ライヴ・レポート] 街が冷たい空気に包まれ始めた12月5日。ヒーラーガールズの〈Healer Girls 2nd Live “Feel You, Heal You”〉が、浜離宮朝日ホールで行われた。グランドピアノによるイントロからバンドの音が重なっていく伴奏が鳴り響く。ヒーラーガールズの4人が大きな拍手に迎えられて登場すると、彼女たちの唯一のオリジナル・ナンバー「Feel You, Heal You 〜sêrênité〜」からライヴはスタートした。ひとりひとり、心を込めたソロパートを繋いでいきながら、3人がコーラスで曲に奥行きと温かさを加え支えていく。そんな彼女たちの魅力を詰め込んだ1曲を歌い終わると、アニソン史に残る名曲、メロキュアの「Agapē」を披露。印象的なサビを4人のハモリで力強く、そして美しく表現していく。ピアノ、アコースティック・ギター、パーカッションという編成のバンドの演奏も、4人の歌声と一体となって曲を盛り上げていた。
観客からの大きな拍手を受けての最初のMCでは、ひとりずつ自己紹介をしていく。ここでは、この日を迎えられた感謝の気持ちを伝えていったのだが、1stライヴ(2021年4月30日開催)が新型コロナウィルスの影響で無観客での配信ライヴになったこともあって、目の前にファンがいてくれることの喜びは言葉では言い表せないものがあったのだと思う。それが彼女たちの笑顔によく表れていた。
続いては観客と盛り上がれるブロックへ。いわゆる電波ソングと言われる「もってけ!セーラーふく」をコーラス・アレンジにするのは新しいし面白い。ラップ部分は、バックで3人がスキャットをして厚みを持たせ、サビでは緑のペンライトを振りながら観客と一緒に盛り上がっていた。続いて、90年代の大ヒットしたロック・ナンバー、SHAM SHADEの「1/3の純情な感情」(TVアニメ『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』EDテーマ)を披露。4人のヴォーカルからは熱さがしっかりと伝わってきたし、サビでのハモリも圧巻だった。そこから時代が一気に今に移り、YOASOBIの「怪物」(TVアニメ『BEASTARS』第2期OPテーマ)へ。時代による音楽の変化も感じながら、この曲ではクラップを促したり、ソロパートでそれぞれが、かなり情熱的に歌っていたのが印象的だった。「怪物」は、YouTubeチャンネルで展開されている“アニヒラ(Anison Days×Healer Girls)”にもアップされていない楽曲で、今回が初披露となったのだが、難易度の高い曲をカッコよく、そしてワイルドにパフォーマンスしていた。
みんなで盛り上がったあとは、椅子を用意して、季節のバラード・コーナーへ。ZONEの名曲で、数々のアーティストにカヴァーされてきた「secret base〜君がくれたもの〜」を温かな光に包まれながら歌う。情感たっぷりに歌って、夏の花火が見えるかのよう。続いて「優しい忘却」は、ピアノ弾き語りで、曲の優しさに身を委ねるように声を重ねていく。透明感のある歌声に包まれた会場は、まさに癒やしの空間だった。そして、冬のアニソンと言えば、μ'sの「Snow halation」。AメロとBメロをしっとりと歌い、雪がしんしんと降る景色をイメージさせると、サビで一気に開け、アップテンポになる。ペンライトも大半はユニット・カラーである緑を振っていたが、白からオレンジのものを用意して楽しむ人もいた。
MCでは数々の嬉しいお知らせを発表!TVアニメ『ヒーラー・ガール』が2022年の春に放送予定になったことと、4人がメイン・キャラクターの声優とヒーラーガールズとして主題歌を担当することが決定!そのオープニング映像もライヴ後に公開された。さらに2022年3月6日(日)には朗読劇イベント〈Healing Theater〉を開催。こちらもアニメを楽しむための朗読劇ということで、動き始めたTVアニメ『ヒーラー・ガール』を楽しみにしてほしい。
ライヴの後半は、メンバーそれぞれをフィーチャーしたメドレー・コーナーから。堀内まり菜が芯のある力強い歌声で「残酷な天使のテーゼ」を歌い、礒部花凜が強く真っ直ぐ伸びやかな歌声で「コネクト」を、吉武千颯が息多めのボーカルで、会いたいという気持ちをメロディに乗せ「会いたいよ」を届ける。
最後に熊田茜音が感情を込めながらも突き抜けた歌声で「君の知らない物語」を熱唱した。1人がメイン・ヴォーカルを担当し、3人がそれを支えるという構成は初めてだったが、それぞれのヴォーカルの特徴が出ていて面白かった。
そして、軽快なイントロが響くと、曲目を察したファンがクラップをして盛り上がった「シュガーソングとビターステップ」。サビで4人が左へ右へステップを踏み片足を上げるのは『血界戦線』のEDアニメーションへのリスペクトを感じるし、バンドとのグルーヴィーなパフォーマンスも素晴らしかった。
ライヴ本編、最後の2曲はTVアニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』からの楽曲。劇中歌の「God knows…」は、ヒーラーガールズが最初にカヴァーした曲。ロックな原曲から雰囲気をガラッと変え、ジャジーなアレンジで、跳ねたリズムが心地良い。ラストはEDテーマの「ハレ晴レユカイ」。吉武、礒部、熊田、堀内とソロを繋いでいき、サビの終わりには4人もダンスをしながら歌う。大きな夢をこれから叶えていこうとしている彼女たちにピッタリの曲で、歌い終わると会場からは大きな大きな拍手が贈られた。
アンコールで、飛び切りの笑顔で登場した4人。「眠るものたちへ」を楽しそうに歌うと、4人からこの日のライヴの感想と、ファンへのメッセージが届けられる。礒部が「レベルアップした私たちを見せられたんじゃないかな」と言っていたが、ぐんぐんと成長し、音楽で癒やしや幸せを届けるユニットになってきている。これからも歌で、さらに多くの人を癒やしていくことができる……そんな確信を持てるステージだった。そしてアンコールラストは「DREAM SOLISTER」。夢へ向かって羽ばたく彼女たちにぴったりの曲であり、音楽で幸せを届けられる曲を笑顔いっぱいで歌い、ライヴを締めくくった。なお、今回のライヴの模様は、12月12日(日)23:59まで視聴可能なので、ぜひ彼女たちの歌声に何度も癒やされてほしい。Text by 塚越淳一Photo by 江藤はんな©Healer Girl Project