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HERO、インディーズでのラスト・ワンマンをレポート!

HERO   2013/05/02 13:52掲載
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HERO、インディーズでのラスト・ワンマンをレポート!
 きたる7月10日(水)、シングル「答え合わせ」で日本クラウンよりメジャー・デビューを果たすヴィジュアル系バンド、HERO。さる4月27日(土)にはZepp Tokyoで〈ワンマンツアー「エンディング」〜グランドファイナル〜〉を開催、インディーズでのラスト・ワンマンとなるステージを披露しました。

HERO
ワンマンツアー「エンディング」〜グランドファイナル〜
2013. 4. 27 SHIBUYA-AX
〜 オフィシャル・レポート 〜


 7月10日にシングル「答え合わせ」でメジャー・デビューすることを発表したHEROのインディーズ・ラスト・ワンマン。メンバー全員が黒いスーツに身を包んでいたのは、彼らの中に“卒業式”という意識があったからなのかもしれない。それにしても、ヴォーカルのJINが大きなリボンを背中に背負うなど、初期のキラキラヒラヒラ系衣装からは想像もつかない変わりようだ。

 ところがそれは、“俺達にはもう華美な装飾は必要ない!!”という自信の現れなのだと、ライブがスタートしてすぐに理解することが出来た。堂々と胸を張って一打一打に魂を込めるYusuke。目に見えない敵と戦うかのように何度も空中を蹴り上げながら4弦を弾くyu-ta。鋭くエッジの尖ったリフやカッティングで大気を切り裂くSARSHI。持ち前のカラフルさに加え黒いスーツのイメージ通りワイルドに進化した3人のアンサンブルは、1曲目の「相対性理論」から横モッシュで激しくぶつかり合うオーディエンスの顔をどんどん笑顔で輝かせて行く。

 「罪と罰」や「翼が折れて迷宮に迷い込んだ漆黒の天使」、「伝えたい音」など時代を追うごとにハードなナンバーが増えていったHEROのライヴ。しかし、その空気は凶暴になるどころか楽しさを増す一方で、この日のオーディエンスも「友達作って帰れよ!!」というJINの号令に合わせて「to you...」では隣同士肩を組みながらヘドバン、「Dear」では一列全員手を繋いでジャンプと一糸乱れぬ完璧なパフォーマンスを繰り広げる。その圧巻の景色が関係者の度肝を次々に抜き、7月のメジャー・デビューへと繋がっていったのだ。

 HEROのライヴのもうひとつの楽しみがJINのMC。この日も髪型を変えたSARSHIを「ギターのSARSHIが脱退しまして。新メンバーのブロッコリーです」、ライヴの制作スタッフを「300人ぐらいの会場でやってたときは“おい、JIN!”て呼び捨てにしてた人が、今は“あ、JINさん、こちらです!”だからね」と得意の毒舌でいじりつつ、メイド居酒屋でのエピソードや、駅のトイレで順番待ちをしていたおじさんの話など、日常の何気ない出来事を抱腹絶倒のネタに変えてしまう話術はさすがのひと言。そのスタイルは作詞にも貫かれていて、“世界で一番幸せな人は君の手を引いて行く人だから、君は二番。だったら僕は三番でいいや”と歌う「ソプラノ」や、電車に乗っているときに遭遇した出来事から人が本来あるべき姿を問うた「人間定義」など、すべてが等身大の目線で描かれているからこそ、彼の歌詞は多くの共感を呼ぶ。1回目のアンコールの2曲目にプレイされた、まさに「人間定義」で“HEROをちゃんと売ってもらえるように偉い人達にお願いして!!”というJINの頼みを素直に聞き入れたオーディエンスが二階席の関係者に頭を下げまくるという前代未聞の景色は、驚きや笑いを通り越して感動すら覚えるほどだった。


HERO


 「メジャーに行ったら変わっちゃうんじゃなかって不安に思ってる人もいると思うけど、心配しないでください。全然変わらないから。俺らはお前らにバイバイ出来ないけど、お前らは出来るじゃん? でも、つらいときはいつでも来てくれ。お前達のために歌うから」2回目のアンコールの冒頭、メンバーを代表して高らかに宣言したJIN。その思いは、HEROの始まりの曲である「超過激恋愛歌」を経て、こんな風に続いて行った。「音楽やってて良かったって思えた。ありがとうな。俺、夢があって、東京ドームでやれるようになってもこの曲でライヴを終わりたいなって。もっとでっかい景色を見せてやるから、最後、約束の曲を一緒に歌って終わろう!」そして奏でられた「カゾエウタ」。結成当初はメンバー4人だけのものだった“たった一人のヒーローになりたい”という思いが、その瞬間、すべてのオーディエンスの思いとなってZepp Tokyoを包み込んだ。この素晴らしい景色がどこまで大きく広がって行くのか。想像するだけで胸が躍った。(Text By 加藤祐介 / Yusuke Kato)
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