the telephonesのフロントマンである
石毛 輝。ソロ2ndアルバム
『My Melody』の発売を記念して行なっていた東名阪ツアーのファイナルが東京・渋谷WWWで開催に。
ステージ上には所狭しと機材が並ぶ中、石毛を筆頭に、
mouse on the keysの川崎 昭(ds)、
ZAZEN BOYSの吉田一郎(b)、そしてthe telephonesのノブこと岡本伸明(key、g)が登場。石毛がシーケンスを走らせ、ノブとシンセを連弾するイントロダクションから怒涛の人力ブレイクビーツに突入した1曲目は「The New Year Song」。続く「Fireworks」では手作り風の線画の映像が2台のモニターに映し出され、どこかほのぼのとした味わいも。「Flowers On The Wall」では石毛とノブがエレピとギターを途中で交替するなど、あくまで自由なセッションの進化形を展開。
このツアーをとても楽しんでいること、それは自分以外の3人がいるおかげとメンバー紹介を行なった後、石毛は「皆さんは皆既月食見ましたか?」と、エキゾティックなシーケンスが印象的な「Lunar Eclipse」へ。吉田のベースが生む太いグルーヴ、石毛は一部、ヴォーカルをiPadにあらかじめプログラムした自分の声のサンプルを弾きながら、Wヴォーカルを聴かせる場面も。
川崎の小さな民族楽器や石毛の鳥笛がユニークなイメージを醸す「Machu Pichu」は、途中からノブのピアノ叩き弾きで熱を帯びた展開に。チェンバーロック的な「Through Dark Night」や、演奏の抜き差しでダイナミズムが形成されていることがわかる「Memory Of Eternity」などに、バンド・セットでの柔らかな表現を実感できたのでは。また、ファイナルだけで披露された「My Love」では石毛が思う存分ギター・ソロを弾き、ハードロック・バンドに見えるほど!?
「今日来てくれたみんなありがとう。もちろんテレフォンズは日本一、え?宇宙一? じゃ、宇宙一カッコいいバンだけど、10代の時、アイスランドの音楽が大好きで、ずっとこういう音楽もやってみたかったし、こうやってやれてよかったです」と満面の笑みを浮かべる石毛。彼なりに“自然”を表現したという「Mount Tsukuba」では、力強く前進するリズム、凛とした響きの鉄琴のサウンドも相まって、壮大かつ開放的にピークを迎える。
本編ラスト2曲を告げられ、物足りなそうな客席を鼓舞するように石毛バンド流のダンス・ロックにアレンジされた「Red Cat」で自然にフロアは熱くなり、ラストは「最後の1曲は僕の地元、北浦和を思い浮かべ、そして昔、僕らのHPとかを作ってくれた友だちが天国で作ってくれた曲でもあります」との言葉を寄せた「My Hometown」。
フロアから自然にアンコールが起こる中、Wピースで石毛が再登場。「今日、こうしてこの時代に音を聴きに来てくれて本当に嬉しい」と感謝を述べ、「2曲ほどひとりでやります」と演奏された「My Sweet Cat」では“素”の彼が透けて見えるヴォーカルを披露。続いては大阪の大好きなレコード店に贈る「I Wanna Go To Flake」を即興ラップ&ビートボックスを絡めた爆笑ファンク・モードで! そして、スタッフ、オーディエンスへの感謝の気持ちを込めた「K.E」でフィナーレ。the telephonesでもおなじみの写真撮影もばっちり決め、多幸感と達成感を満面に湛えて、4人はステージを後にしました!