1972年10月21日、CBSソニーからシングル「少女」、アルバム『
少女』の同時発売でデビューした
五輪真弓。レコーディングには
キャロル・キング、チャールズ・ラーキー、
デヴィッド・キャンベルら、世界の名だたる音楽家が参加、さらには五輪のための新レーベルが設立されるなど、当時新人としては異例とも言える鮮烈なデビューが大きな話題となりました。また、ヨーロッパやアジアで作品がリリースされ、1982年には日本人アーティスト初となる香港スタジアムでのワンマン・コンサートを開催、日本人アーティストの海外進出の先駆けとなりました。
そんな五輪真弓の最大のヒット曲「
恋人よ」は1980年8月21日に発売した18枚目のシングル。この曲は、デビュー当時のプロデューサーの死をきっかけに作られた、最愛の人を失くした悲しみを歌ったバラード。長きに渡り多くの人に愛され、日本では
淡谷のり子、
美空ひばりをはじめ多くのシンガーがカヴァーし、中国、韓国、インドネシアやマレーシアなどでも数多くのアーティストによって歌われています。そんな永遠の名曲「恋人よ」が発売から45年となる2025年、自身の誕生日である1月24日(金)に初の公式映像としてリリック・ビデオが公開されました。
当初はB面曲(カップリング)収録の予定だったため、イントロは当時としては異例の48秒という長尺となり、その結果まるで映画音楽のような壮大なアレンジとなっています。発売後、ロングヒットとなったこの曲で、1980年「第22回日本レコード大賞」の金賞を受賞し、年末の『NHK紅白歌合戦』にも初出場を果たしました。
発売当時はミュージック・ビデオという存在自体がなかった中、現在このようにリリック・ビデがYouTubeなどで好きな時に楽しめるということは、当時からのファンはもとより、世界中の新たなリスナーがこの名曲に出会える新しい機会となります。
五輪自身も「普段からYouTubeを見ますが、素晴らしいアーティストの方やいい歌、感動する歌がたくさんありますね。若い人の曲作りや発信の変化には驚きます。また、アニメ主題歌がこれほど世界に広まるとは思いもしませんでした。日本の個性ともいえる漫画やアニメの価値が認められ、新しいメディアを通じて世界に広まったという事だと思います。今後時代がどのように変化するか、予測がつかないですね」とコメントしたうえで、今回のリリック・ビデオに関して、「今回の映像は『恋人よ』のイメージ通りの素晴らしいリリックビデオになったと感じています。ドラマチック過ぎず、淡々と表現していただいた色使いも楽曲の不変的な部分にマッチしており、長く聞いていただいた楽曲のように、この映像も広い世代の方々に色々な思いを感じていただければ幸いです」とコメントしています。
発売から45年が過ぎた今でも世界中で愛され続けている楽曲「恋人よ」。初のオフィシャル・オリジナル・リリック・ビデオの公開によって、楽曲の素晴らしさが、より立体的に感じられることはファンのみならず、すべての音楽リスナーにとって素晴らしいニュースです。