今月18日に15年ぶりの新作『アローン・イン・ザ・ユニヴァース』(
デラックス・エディション SICP-30890 3,000円 + 税 /
スタンダード・エディション SICP-30891 2,500円 + 税)を発表する
com/artist.php?ano=105262">ELOのジェフ・リンが最新インタビューでビートルズの『アンソロジー』レコーディング時の秘話を語っています。
ビートルズの『アンソロジー』と、
ポール・マッカートニー、
ジョージ・ハリスン、
リンゴ・スターのそれぞれのソロ作、
トラヴェリング・ウィルベリーズをプロデュースした、“もっともビートルズに近い男”とも呼ばれている“ポップの魔術師”ジェフ・リン。ビートルズの『アンソロジー』収録の「フリー・アズ・ア・バード」は
ジョン・レノンのホーム・デモを元にポール・マッカートニー、ジョージ・ハリスン、リンゴ・スターが新たにレコーディングして完成させ、「レット・イット・ビー」以来25年ぶりの新曲として1995年の発表されたものですが、そのプロデューサーに選ばれたのがジェフ・リンでした。
「ビートルズの〈フリー・アズ・ア・バード〉……もう一つ〈リアル・ラヴ〉もやったね。あれをやるのは事実上不可能みたいなものだった。“何てことだ。僕にできるのか?”と思ったよ。でも、ビートルズのみんな僕が適任だと思ってくれたんだ。だから何とかしてカセットから声を抽出する方法を考えなければならなかった。普通はできないからね。ジョンが曲を書きながら録音した音源だった。弾きながら曲を覚えていくような。タイミングも合っていなかった。モノラル録音で、ピアノの音がヴォーカルと同じくらいの大きさなんだ。そこに入っているヴォーカルを抽出するのは本当に大変だった」
困難を極めた完成への道のりに、手を差し伸べたのがポール・マッカートニー。
「ポールがスタジオに来てくれたとき、素晴らしいことをやってくれた。ジョンの声に重ねるようにゴーストとして歌ってくれて、もう少し実体のあるヴォーカルになったんだ。彼がヴォーカルに少し深みを加えてくれたおかげで、運よくヴォーカルを抽出することができたんだ。できたときは信じられなかったよ。ポール、ジョージ、リンゴで新たにレコーディングした曲に、ジョンの声を入れたのは真夜中のことだった。みんな帰って、エンジニアだけ残ってもらってね。みんながいるときに1回目をやって“うわ、メチャメチャにしてる”なんて思われたくなかったから、誰もいないときにやったんだ。スピードが遅いところは少しいじってね。テンポらしいものはまったくなかった。3つの違うテンポがあるような感じだった。それを調整して、調整して……とやっていったらだんだん整っていったんだ」
「翌朝ポールがスタジオに来て、エンジニアが彼に音を聴かせていたとき、僕はキッチンに座って“気に入ってもらえるといいけどなあ……”と思っていた。そうしたらポールがやってきて、“よくやった! やってくれたよ!”って大きくハグしてくれたんだ。あれは本当に嬉しかったね」
11月6日に全世界で発売されたビートルズの『ザ・ビートルズ 1』で、ジェフ・リンは「フリー・アズ・ア・バード」と「リアル・ラヴ」の新たなリミックスを手がけました。
「あれはもう20年も前のことだけど、そんなに経ったとは思えないな。嘘みたいだ。今回の作業で再び耳にすることができたのはとってもうれしかった。当時あれだけプレッシャーのかかった仕事はなかったからね。すでにうまくデジタル化されていたから、リミックス作業はスムーズに行なうことができた。『ザ・ビートルズ 1』の全体はまだ聴けていないんだ。試聴会に招かれたんだが、ほかの仕事で行くことができなかったから、完成したものを聴けるのを楽しみにしているよ」
ELOのニュー・アルバム『アローン・イン・ザ・ユニヴァース』からの第1弾シングル「ホエン・アイ・ワズ・ア・ボーイ」は、ビートルズに憧れていた少年時代からの夢とみずからの音楽人生を振り返りながら、音楽の持つ力を訴える音楽賛歌。あふれんばかりのビートルズへの敬意と愛情を感じるエヴァーグリーンなメロディとなっています。
「ビートルズは僕にとってすべてだ。神様みたいな存在だね。ビートルズのレコードは素晴らしいとしか言いようがないし、この世で最高のバンドだよ」