『ウルトラマン』シリーズや『怪奇大作戦』などの特撮作品で広く知られる
実相寺昭雄監督が“ATG”こと「日本アート・シアターギルド」に残した『無常』(写真)、『曼陀羅』、『哥(うた)』、『あさき夢みし』の4作品を、実際に作品で撮影監督をつとめた稲垣涌三(『無常』『曼陀羅』)、中堀正夫(『無常』『哥(うた)』『あさき夢みし』)が監修したテレシネによる最新ニューマスターで初Blu-ray化。
『atg 実相寺昭雄ブルーレイBOX』として11月18日(水)に発売されます。単品DVDも同日再発。
1970年にTBSを退社した実相寺が満を持して、ATGで制作したのが長編映画第一作『無常』(1970年)。仏教の原点となる“無常感”をテーマに、姉と弟の近親相姦という反社会的、反倫理的なタブーを描き、独特のカメラ・ワークによるエロティシズム、大胆な性描写で当時は成人指定を受けるも興行的に大ヒット。さらには、カンヌ、ベネチア、ベルリンの世界三大映画祭に次ぐ映画祭とされる〈ロカルノ映画祭〉にてグランプリを受賞し(1970年)、大きな話題を巻き起こしました。
『無常』の大ヒットをうけ、立て続けに発表されたのが『曼陀羅』(1971年)、『哥(うた)』(1972年)。『曼陀羅』は、実相寺監督のATG3部作とも呼ばれる石堂淑朗・脚本作品のうち唯一のカラ―が登場する作品(パート・カラ―)。あるモーテルの支配人夫婦のエロスと農耕によるユートピアの実現へ、性に奔放なカップルが次第に巻き込まれていくというストーリーは前作以上に全篇的エロティシズムで溢れ、“芸術ポルノ”とまで騒がれるまでに。桜井浩子ら実相寺監督の常連といわれる俳優陣も出演。
『哥(うた)』は、『無常』『曼陀羅』から、日本および日本人の原点を探ることをテーマにした3部作の完結作。旧家の没落とそれに抵抗する青年の姿を通じ、日本人の故郷とはいかなるものかを追求した作品です。
そして『あさき夢みし』(1974年)は、詩人の大岡 信・脚本により、日記『とわずがたり』のヒロインを主人公に、13世紀後半の王朝貴族の女の生き方を描いたもの。当時のATGの予算を遥かに上回る制作費をかけた豪華絢爛なセットも見どころ。
(C)1970 實相寺知佐子