ジョン・レノンを敬愛するアーティストが集い、アジア・アフリカの子供たちに学校をプレゼントする毎年恒例のチャリティ・コンサート“Dream Power ジョン・レノン スーパー・ライブ”の第8回目が、ジョンの命日である12月8日に開催。
会場となった日本武道館には13,000人を超える観客が集結、ジョンの生涯のパートナーであり、このライヴの提唱者である
オノ・ヨーコをはじめ、
奥田民生、
吉井和哉、
LOVE PSYCHEDELICO、
宮崎あおい、
夏木マリ、
Char、
ゆずら豪華な顔ぶれ15組/22人が共演、3時間にわたる熱いステージを繰り広げた。
奥田民生、
トータス松本、
斉藤和義、ゆずの共演によるメドレーで幕を開けた今回、各アーティストがジョンへの想いなどを語りながら、ジョンや
ザ・ビートルズの楽曲を披露。なかでも注目を集めたのは現在、国民的人気を誇る女優の宮崎あおい。「ジョンの残した言葉や想いを多くの人に伝えるお手伝いがしたい」と語っていた彼女は、名曲「イマジン」と「ラヴ」に詞の朗読で参加し、ステージに華を添えていた。
コンサートはさらに続き、夏木マリは歌の合間に、戦火のアフガニスタンからパキスタンに逃れ、このコンサートのおかげで、憧れていた学校に通えることとなった12歳の少女の感謝に満ちた手紙を紹介、また、初出演のCharは奥田民生とビートルズの名曲「Come Together」で共演するなど、特筆すべきステージが繰り広げられるなか、自身はレコーディングのため会場に来ることはできなかったため映像での参加となった
ショーン・レノンが、初めて、父ジョン・レノンにささげる未発表曲「Listen」を披露。父に対する想いを綴った歌詞は、多くのオーディエンスの心を揺さぶったのでは。
コンサートの終盤ではオノ・ヨーコがステージ上に登場、光を使った芸術“オノコード”で、出演者、観客の全員が光で“I Love You”を表現、会場が光の芸術で一つに。その後、出演者全員でジョンの「ハッピー・クリスマス」などジョンの曲を合唱、さらにフィナーレでオノ・ヨーコは、ジョンの曲「スターティング・オーヴァー」冒頭部分でも使用された思い出のベルを観客に披露し、「これは『スターティング・オーヴァー』の出だしのベルの音に使用されたものです」と紹介、「今から、私がこのベルを3回鳴らします。その間にあなたの願いごとをしてください。その願いはきっとかないます」と語り、ベルを3回鳴らした。最後は出演者全員で「イマジン」を合唱。その後「イマジン」のプロモーション・ビデオが会場に流れ、3時間を越えるコンサートが終了、ひとりひとりの夢がひとつになれば世界を変えることができるということを、みんなが体感できるコンサートとなった。今回のこのコンサートによって、アジア・アフリカに、また新たに子供たちのための学校が作られることとなる。
なお、コンサートに先がけ、オノ・ヨーコは12月2日、東京有楽町のニッポン放送イマジン・スタジオで記者会見を行っているが、その時に彼女から提供された“ピース”の破片のプレゼントを、EMIミュージック・ジャパン内にあるジョン・レノンのサイト(
http://st-co.jp/john/)で実施中。“時を超えるアートパフォーマンス”として提供されたこの壺の破片(Piece)は、平和(Peace)との掛けことばであると同時に、砕けた壺の破片を、現在の世界の現況にたとえている。10年後の12月2日、このピースを受け取った人に有楽町・イマジンスタジオ持ち寄ってもらい、修復する計画となっているとか。こちらも注目を。
(写真:ジョン・レノン音楽祭実行委員会)