ジョン・ピザレリ 2004/02/24掲載(Last Update:08/03/31 17:57)
昨年4月に2枚組のゴキゲンなライヴ盤
『ライヴ・アット・バードランド』を発売した
ジョン・ピザレリ。彼のギター、彼のヴォーカル、とにかくスウィンギンで心弾む、問答無用にJAZZを楽しませてくれたアルバムでしたが、3月24日に出ますテラーク・レーベル第5弾となる待望のニュー・アルバムは、ちょっとこれまでと趣が違うようですよ。
その内容は何と“ボサ・ノヴァ”。タイトルもズバリ
『ボサ・ノヴァ』(UCCT-1088 \2,548(税込))ってわけです。お父さんのバッキー・ピザレリも偉大だけど、小粋なスキャット〜エスプリの利いた洒落の感覚など、ジョンはジョン独特の良さがありまして、ビートルズをスウィンギンに歌った
『ミーツ・ザ・ビートルズ』(写真)等、ポップな作品群が何よりの魅力。今回もその延長としてのライトな“ボサ・ノヴァ”かと思ったところ、どっこい、かなりの本格派かつ、これまでのジャズ・ボッサには無い新鮮な感覚があるようなのです。
まずレコーディング・メンバーにはボサ・ノヴァの開祖、
アントニオ・カルロス・ジョビンの孫、ダニエル・ジョビン、
パウロ・ブラガが参加! ピアノは
セザル・カマルゴ・マリアーノという超大御所ブラジリアン! 加えてアントニオ・カルロス・ジョビン好きにとってはCTIを忘れることは出来ないと思いますが、本盤のストリングス・アレンジはCTIの立役者、
ドン・セベスキーが担当!! これ凄くないですか?
そしてアルバムをプロデュースしたのが、何と、あのラス・タイトルマン!! むしろロック・ファン〜ソフトロック・ファンの方が詳しいでしょうか?
リッキー・リー・ジョーンズの
『浪漫』、
ジョージ・ハリスンの
『慈愛の輝き』、その他ジェームス・テイラーの一連の作品等、歴史的名盤を数多く生み出した70年代を代表するプロデューサーで、レニー・ワロンカーなんかと一緒に、“バーバンク・サウンド”の代表選手としても語られる人なのですが、ジョン・ピザレリとの組み合わせ、何か不思議と納得できたりもして、こりゃもう普通のジャズ・ボッサとは違う面白いものになってるんじゃないでしょうかね?
収録曲を見ると、ちょっとでもボサ・ノヴァが好きな人なら誰でも知ってる、大スタンダードばかりが13曲。
01.ワン・ノート・サンバ
02.魅惑のリズム
03.イパネマの娘
04.スマイリング・フェイセス
05.エステイト
06.デサフィナード
07.アクエラス・コイザ・トダス
08.アイ・リメンバー・スカイ
09.フランセスカ
10.ラヴ・ダンス
11.ソ・ダンソ・サンバ
12.三月の水
13.ソング・フォー・ホセ・ソラレス