つづけて、草間信一のジャジーなピアノソロからはじまる「New York State of Mind」。言わずとしれたBilly Joelの名曲だが、シンガーを志し、単身18歳でNew Yorkに渡ったJUJUが歌うと、なおさら胸に迫るものがある。鹿討奏のトロンボーンソロもむせび泣き、ステージにはNew Yorkの古いアパートの壁面が投影。そこに飾られたいくつかの写真は、New York時代のJUJUの写真である事に気づいたファンもいたことだろう。ビジョンに映るJUJU自身による意訳もあいまって、ニューヨークの物語に没入させてくれる粋な演出となった。
「LA・LA・LA LOVE SONG」「奏 (かなで)」、と男性ヴォーカルの名曲を立て続けに歌唱した後は、名曲「東京」へ。JUJUの曲でも屈指のバラードとして人気が根強いこの曲で、涙を流す観客も多かった。キャリア初期の楽曲「ナツノハナ」を花火の映像とともに届けた後、ピアノとストリングスによる印象的なイントロが流れる。映画『余命1ヶ月の花嫁』主題歌「明日がくるなら」だ。2009年の着うた大ヒットバラードだが、厚みのある演奏とアレンジで、2024年にも新鮮に響く。