アイスランドのシガーロススタジオにてレコーディングした作品を連続リリースしている
Jun Futamataが、アイスランドレコーディング作品最終章となる新曲「Útdautt lag (ウーディヒトラウフ) (feat. Magnus Johann, Siggi String Quartet)」を1月31日(水)にリリースしています。
今作は、2022年にJun Futamataがアイスランドで録音してきた作品、全9曲の中でフィナーレを飾る1曲。前作までと同様に多彩なゲストを迎え、アイスランドの「情景」「気配」をたっぷりと含みながら、雄大な自然や悠久の時間に思いを馳せることができるような良曲に仕上がっています。
また、今作の発表と同時に、これまでリリースしてきたアイスランドレコーディング作品をまとめたアルバム『あなたの骨が、オパールにかわる頃』が2月28日(水)にリリースされることが発表されました。アルバムは、アナログ・レコードとカセット、配信にてリリースされます。現在、公式WEBサイトにて予約注文が可能です。
ストリングスは、
ビョーク本人から最も信頼されるヴァイオリニスト、ウナ・スヴェインビャルナルドッティル率いる
シッギストリングカルテット(ビョーク作品「ホモジェニック」「ヴァルニキュラ」最新作「フォソーラ」、
ヨハン・ヨハンソンなどのアルバムに参加)、ピアノは、北欧アイスランド最大級の音楽フェス〈Airwaves〉にてオープニングアクトを勤め、さらに
オーラヴル・アルナルズのピアノrework作品に抜擢されるなど、最前線で活躍する若手最注目ピアニストMagnús Jóhannを迎えて、アイスランド、シガーロススタジオで録音されました。
録音は、2023年アカデミー賞で音楽賞を含む4冠を受賞した映画『
西部戦線異状なし』にも参加したFrancesco Fabris(Bedroom Community)が担当しています。
マグナスのカームなピアノ伴奏によって始まるこの曲は、Jun Futamataの持ち味であるジャジーなフレーズをまといながら、シッギカルテットの温かいストリングスサウンドと共に曲の中盤を迎えます。ここで一気に曲想を変え、耽美で美しいストリングスの音の洪水が訪れたかと思えば、アイスランドレコーディング作品の最終章にふさわしい、堂々としたクライマックスに到達します。
今作を意欲的な1曲だと感じさせるもう1つの理由は、クライマックスで歌われるのが日本語の歌詞によるものだからかもしれません。彼の地で、彼の国のメンバーによって演奏された曲に、日本語の歌詞・歌唱が見事にマッチして、聴くものの脳裏に潤沢な音楽体験を残してくれる良曲です。
TVアニメ『
REVENGER』(
藤森雅也監督・
虚淵玄ストーリー原案)の劇伴を手がけるなど、ポストクラシカルやアンビエント、現代音楽から、環境音楽、ミニマル、クラシック、エレクトロニカに至るまで、幅広いリスナー層を魅了する彼女が作り出す最新作に期待が集まっています。
[コメント]Útdautt lagとは、アイスランド語で「絶滅した歌」という意味です。
人間がヒトになってから、これまで繰り返してきた歴史の中で、疑問に思ってきたこと、その反復性や嘆かわしさ、それでも美しく映る世界や自然を詰め込んだ曲です。――Jun Futamata