完売公演となったこの日、ジャングルの2人は、6人のバンド編成で登場し、満員のフロアにて、代表曲「Busy Earnin'」からGAPのCMにも起用されたバイラル・ヒット曲「Back On 74」を含む最新アルバム『Volcano』収録曲までを披露。サポート・アクトのどんぐりずとともに超満員のフロアを盛り上げました。
こうしてバンドのディスコグラフィーの厚みを改めて感じることができるのもライブの醍醐味の一つだが、ここにはさらに意味を見出すことができるかもしれない。『Volcano』のリリースに際してNMEに掲載されたインタビューで、ジョシュは「Busy Earnin'」の収録されたファースト・アルバムから4年ほどの時間が掛かったセカンド・アルバム『For Ever』の制作を振り返ってこう語っている。「サイレンやホーン、その他すべてを鳴らしてみたり、3年間、次の“Busy Earnin'”を作ることをゲーム理論的に考えていた。同じ感覚は二度と得られないのに。人間はいつも昔の感覚に戻りたいと思うものだけど、新しい方法に向かわなきゃいけないんだ」。その言葉通り、ジャングルは新しい方法に向かい、時間を掛けすぎることなく制作されたのがサード・アルバム『Loving In Stereo』であり、それをさらに洗練した結果が『Volcano』である。だから、「Busy Earnin'」という過去の代表曲から始まり、現在のモードのジャングルへと繋がれると、そこには過去の自分たちを自分たちなりの方法で超えてきた、ジャングルのヒストリーが必然的に立ち上がるのだ。中盤でプレイされた新たな代表曲「Back On 74」での驚異的な盛り上がりも、このバンドにとって現在こそがピークであることを象徴していただろう。