今年9月で2013年のメジャー・デビューから10周年という節目を迎えるKANA-BOONが、そのメモリアルイヤーの幕開けとなる記念ライヴ〈KANA-BOON 10th Anniversary KICK OFF LIVE『Sunny side up - Moon side up』〉を東京・大阪の「野音」で開催しました。
[ライヴ・レポート] メンバーもライブ中のMCで何度も「自分たちは雨バンド」と笑っていたが、この日はあいにくの空模様。だが雨の中でライブを観るというのもある意味で野音ならではの醍醐味だ。会場に集まったファンの熱は高く、開演前から客席には期待感が渦巻いていた。色とりどりのレインウェアに身を包んだファンの世代は幅広く、親子連れのお客さんもいる。そんなあたりにも10年という時間の流れを感じていると、いよいよライブがスタート。1曲目に選ばれたのは「1.2. step to you」だった。ファーストアルバム『DOPPEL』のオープニングナンバーだ。谷口鮪(Vo・Gt)の「キックオフ!」という叫びとともにイントロに突入すると、ステージ上から客席に向かって銀テープが放射される。オーディエンスの力強い手拍子がバンドを後押しする最高のロケットスタートだ。続くメジャーファーストシングル「盛者必衰の理、お断り」でもその手拍子は鳴り止まない。小泉貴裕(Dr)のパワフルなスネアと古賀隼斗(Gt)のギターリフが楽曲をドライブさせ、客席からはシンガロングも巻き起こった。すでに2曲でライブのテンションはピークだが、そこで手を緩めないKANA-BOON。ここで必殺の「ないものねだり」を繰り出す。冒頭の「1、2!」の掛け声からオーディエンスと一緒に曲を盛り上げていくと、曲中でのコール&レスポンスパートでは谷口だけでなく他のメンバーも参戦。遠藤昌巳(Ba)は「気持ちいいー!」と笑顔を見せ、小泉の絶叫には歓声が上がった。