貫地谷しほり×
和田正人ダブル主演、若年性認知症と診断された丹野智文の実話をもとに描く、夫婦の希望と再生の物語『オレンジ・ランプ』が、6月30日(金)より東京・新宿ピカデリー、東京・シネスイッチ銀座、東京・YEBISUGARDEN CINEMA他にて公開されます。
本作は39歳で若年性アルツハイマー型認知症と診断されながらも、働きながら講演活動等を続けている丹野智文の実話に基づき、夫婦の9年間の軌跡を描く物語。夫と共に前を向く真央役に、連続テレビ小説『
ちりとてちん』のヒロイン役で知られ、ドラマ『大奥』ほか映画・ドラマ・舞台で活躍する貫地谷しほり。夫・晃一役に、映画・ドラマ・舞台に多数出演し、今年公開の映画『THE LEGEND&BUTTERFLY』、『Winny』での好演も記憶に新しい和田正人。実力派俳優の2人が、晴れやかな感動を生み出します。さらに、
伊嵜充則、
山田雅人、
赤間麻里子、
赤井英和、そして
中尾ミエなど個性豊かな面々が脇を固めます。
製作には介護の世界を描いて13万人以上の人々に感動を伝え続ける映画『ケアニン』シリーズ製作スタッフが集結。監督は、上海国際映画祭最優秀作品賞受賞作『
村の写真集』、『
あしたになれば。』など、人との絆や希望を描いてきた
三原光尋。
この度、公開に先立ち、5月30日(火)東京・有楽町朝日ホールにて本作の完成披露試写会を実施。貫地谷しほり(只野真央役)、和田正人(只野晃一役)、本作のモデルとなりました丹野智文が上映前の舞台挨拶に登壇し、撮影秘話や本作への想いを大いに語りました。
[イベント・レポート] 39歳で認知症と診断された丹野智文さんの実話をベースに、笑いと涙の夫婦の9年間の軌跡を描く感動作『オレンジ・ランプ』(6月30日公開)。その完成披露試写会が5月30日都内で行われ、夫を前向きに支える妻・只野真央役の貫地谷しほり、夫・只野晃一役の和田正人、そして本作のモデルとなった丹野智文さんが出席した。
満員御礼で迎えた完成披露試写会。W主演の貫地谷は「若年性アルツハイマー型認知症を扱った作品には悲しいイメージがあるけれど、今回は前向きに進んでいる方のお話です。私も認知症の新たな理解としてこの映画を受け取ってもらいたいと思って参加しました」とオファーを快諾した理由を紹介。一方、和田は知人が若年性アルツハイマー型認知症と診断されたタイミングでのオファーだったことに触れて「今回のオファーは巡り合わせの運命だと思った。引き寄せられているなと。若年性アルツハイマー型認知症について僕自身ももっと知らなければならないと思った。この作品と出会えたことは誇りでもあります」と意義を感じていた。
本作のモデルとなった丹野さんは「今から10年前の39歳の時に認知症になって、その時に助けてくれた仲間たちみんなが今日この場所に来てくれています。本当に感謝です」と感無量。自身の半生が映画化されたことについては「認知症をテーマにした映画やドラマは認知症の人が亡くなるか施設に入るかで終わる。でも私はまだ施設には入っていないし、亡くなってもいません。だからプロデューサーには『殺さないでね!』とお願いをしました」と明るく語り、会場を笑わせた。
そんな元気ではつらつとした丹野さんについて貫地谷は「初めてお会いしたときは『え?』という感じでした。本当に若年性認知症ですか?と思うくらいで、ビックリしました」と驚き。その丹野さんを演じた和田も「丹野さんとお会いして色々と話を聞いていく中で、若年性認知症だったんだと思うくらいで、認知症であることを一瞬忘れるくらい普通の会話をしました。若年性アルツハイマー型認知症というか、これが丹野さんという印象でした」と従来のイメージを覆されていた。
W主演の貫地谷と和田は初の夫婦役共演。和田について貫地谷は「目の前で自分が認知症だと知って苦しんだ様子を見たときに、守ってあげなければという気持ちになって、どうにかしなければという思いも沸き上がってきた。和田さんのお陰で真央になれた」と感謝。すると和田は貫地谷を「母性の塊!」と表し「母親に抱き締められる子供のような気持ちをこの作品の中で何度も感じた。それだけ愛情たっぷり。貫地谷さんがどれだけこの映画に欠かせない存在だったのかは、作品を観ればわかります!」と褒めたたえていた。
そんな貫地谷と和田について丹野さんは「お二人に演じてもらえて本当によかった」と笑顔で振り返り「僕は今元気ですが、辛かった時期や怒ったり泣いたりした時期もあります。お二人はそれをそっくりそのまま忠実に再現してくれた。初めて試写を観たときに大号泣しました」と大絶賛。貫地谷は「こんなにいい人ばかりの世界があるのか?ファンタジーなのではないか?と疑っていたけれど、丹野さんが試写後に涙を流して『そのままだ』と伝えてくれた時に、世の中ってまだまだ優しさで溢れているというのを感じて感動した」としみじみ。和田も「丹野さんの涙の表情を見たときに、これがこの作品の完成だと改めて実感しました。丹野さんの涙に救われました」と感動していた。
最後に丹野さんは「若年性アルツハイマー型認知症が進行していった人もいます。しかし僕のように生きている人もいるのも事実。この映画を通して、若年性アルツハイマー型認知症になっても笑顔で過ごせる人が実際にいることを知って欲しい。沢山の人に観てほしいです」とアピール。和田は「認知症の治療法も時の流れによって変化しています。それと共に認知症を題材にした映画も進歩しています。これからは認知症と戦って頑張って生き続ける人たちの姿を描く映画が作られていくでしょう。その最初の第一歩がこの『オレンジ・ランプ』だと思います」と力説。貫地谷も「この映画は実話です。この奇跡の実話が奇跡ではなくて当たり前にある話だと思ってもらえたら嬉しいです。色々な方にも観ていただきたいので、お力を貸してください」と全国公開に向けて意気込みを新たにしていた。 ©2022 『オレンジ・ランプ』製作委員会